コラム

COLUMN目元の老化を防ぐために気を付けるべき日常生活での注意点

目元は、顔のパーツの中でも特に目立つ部位で、人の印象を決める重要なポイントになります。目元だけでその人の性格や美しさなどの印象が変わるため、特に目元の美しさへこだわりを持つ人は多く、美容整形術の中でも目や目元に関連する整形術は特に人気となっています。
一方で、目元はシワやたるみなどの加齢による変化が目立ちやすい部位でもあり、若く美しい見た目の印象を保ち続けるためには、目元をしっかりとケアしてできるだけ老化させないということが非常に重要です。
今回は、目元の老化を進めないための日常生活での注意点を紹介いたします。

日常生活の中で注意したい目元の老化を予防するための行動

1、目を使いすぎない

目元の老化を防ぐためにまず大切なのは、目を使いすぎないということです。
最近ではほとんどの仕事でパソコンを使用しますし、日常的にスマートフォンを使っているという方が多いと思いますが、こうした強い光を発するディスプレイを注視し続ける事は、目に大きなストレスを与える原因となります。
可視光線の中でも紫外線に近い波長を持つブルーライトが眼精疲労に大きな影響を与えるなど、強い光が目の疲れを引き起こすというのは、最近では知っているという方も多いのではないでしょうか。
目の使い過ぎは目の周囲の筋肉を疲労させ、筋肉のコリから血流の悪化を引き起こします。そして、目の周囲の血流が悪化すると目の疲労が回復しにくくなり、更に目が疲れやすくなるという悪循環に陥ります。

そして、この悪循環の中で、血行不良によって引き起こされるトラブルが目の下のクマや、たるみ、小じわなどのトラブルです。
クマには青クマや黒クマなどいくつかの種類がありますが、血行不良で直接発生するのが青クマで、目元の毛細血管を通る血流が悪化する事で青黒い静脈が透けて見える状態となり、目の下が青くくすんだ状態に見える形となります。
また、血行不良が続くと眼輪筋という目を閉じたり、目の下にある眼窩脂肪という脂肪組織を支える筋肉の働きが低下し、支えきれなくなった脂肪が飛び出してくる事で目の下に膨らみとたるみが出来る事もあります。

このように、目の使い過ぎから引き起こされる眼精疲労と血行不良は、目元の加齢を一気に進めてしまう原因となりますので、日常生活の中ではなるべくディスプレイを見る時間を減らしたり、定期的に目を休ませたりするといったケアを行う事が大切です。

2、目元をマッサージしすぎない

目元のしわが気になるなどの理由で、目元のマッサージを行っている方は多いのではないでしょうか。
マッサージ自体が悪いというものではありませんが、一方でやり方を間違えてしまうと目元のシワを悪化させるような結果に繋がってしまう事があります。

目元は、他の部分と違い非常に皮膚が薄く繊細な部位です。ですから基本的には目元は強く触るようなケアを行わないという事が重要になります。
マッサージというと、どうしても強めの力でもみほぐしたくなる気持ちはあると思いますが、強い力で揉んだり引っ張ったりしてしまうと、筋肉や血管が損傷して余計にたるみやすい結果に繋がってしまう可能性がありますので、目元のマッサージを行うのであれば、撫でるように優しく行うようにしましょう。
摩擦なども避けるべきで、目元の皮膚に悪影響を与えることもありますので、もし、皮膚を滑らせるような形で行うマッサージを取り入れるのであれば、専用のクリームや美容液などで摩擦を減らすような工夫が必要です。

3、紫外線対策をしっかりと行う

紫外線は、美容にとって大きな敵です。
シミやくすみ、シワといった肌老化の症状の原因はそのほとんどが紫外線の影響によるものだとも言われ、紫外線を適切に予防する事が老化を防ぐためのとても重要な要素となります。

目元の老化についても同様で、紫外線を浴びる事で目元にシミができたり、乾燥や小じわといったトラブルも引き起こされる事となります。
とはいえ、日常生活で完全に紫外線をブロックする事は難しく、また日常生活の中で70%の情報量を得る目ですので、服を着るように目元を覆ってしまうというわけにはいきません。
そこで取り入れたいのが、UV カットのメガネやサングラスといったアイウェアです。外出をする時にはこうしたグッズでしっかりと目元に入ってくる紫外線を防ぐようにする事で、紫外線によるダメージを防ぐ事ができます。
尚、黒いサングラスなど色付きのものでないと紫外線がカットできないと考える方が時々いらっしゃいますが、紫外線は目に見える光とは異なる波長の光のため、透明な眼鏡でもUVカットの表示があればしっかりと紫外線は対策は可能です。逆に、色付きのものであってもUVカット機能がなければ紫外線を防げていない場合もありますので、必ずUVカット機能があるものを選ぶようにしてください。

最近では、目に紫外線が入る事がメラノサイトを活性化させてシミの原因であるメラニンを作り出すスイッチにもなる事が分かってきていますので、目に入る紫外線を防止する事は目元の老化だけではなく全身のくすみやシミを予防する事にも繋がります。

4、保湿をしっかりする

肌のトラブルの原因の多くは乾燥であり、スキンケアは肌に潤いを与える事が最も重要であるといえます。
肌は通常角層のバリア機能がしっかりと水分を蓄える事で乾燥を防いでいますが、年を重ねると肌のバリア機能が十分に働かなくなることで、水分を蓄えることが難しくなっていきます。肌が乾燥すると紫外線などによるダメージも受けやすくなり、シワなどのトラブルが引き起こされやすくなります。

肌の保湿ケアにおいては、高い美容液などで肌に栄養や潤いを与えるというよりも、肌の潤いが失われないようにするという考え方が大切です。
そのために重要なポイントが洗顔で、脱脂力が強すぎる洗顔洗剤を使ったり、熱いお湯に長時間浸かったりといった行為は、肌本来が持つ保湿能力を除去してしまう事となりますので、肌の保湿成分を流しすぎないような洗顔を意識するようにしましょう。
目元は特に濃いめのアイメイクなどを落とすために強い洗浄力のクレンジングを使いがちなので、洗浄力の低いクレンジングでも落としやすいアイメイクを心がけるなどの対応も必要です。

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目元に表れる老化のサイン

いくら日常生活において注意していても、加齢による変化を完全に避ける事は困難です。
目元に表れる老化のサインについて、それぞれの状態や美容治療によるケアの方法について紹介します。

目の下の膨らみ・たるみ

美容治療に来る方で多い悩みが、目の下の膨らみやたるみです。
目の下の膨らみは、ほとんどの場合眼窩脂肪という眼球の下にある脂肪が、眼球の重さによって押し出されて飛び出してくる事で発生します。
眼窩脂肪は若いころであれば眼輪筋という目の周囲の筋肉に支えられているのですが、加齢により眼輪筋が弱くなると、支えきれなくなって前方に飛び出してくる状態となってしまうのです。

眼窩脂肪が飛び出してくると、目の下には大きな膨らみが出来て、逆にこの膨らみの下部分は凹んでいるように見える事で、目元がたるんで老け込んだ印象へと繋がります。
また、眼球を支えている眼窩脂肪が飛び出してくるため、眼球の位置が下がったり奥に移動してしまって、くぼんだ目の状態となる事も老化を感じさせる要因となります。

この状態を解消するためには、自力で行える範囲では眼輪筋を鍛えるという手段が考えられますが、一度弱くなった眼輪筋をトレーニングだけで回復させるというのはなかなか困難です。
美容治療では眼窩脂肪を除去するか、ハムラ法と呼ばれる方法で脂肪の位置を移動させるといった手法があり、どちらも傷跡などを残さず、原因である脂肪の飛び出しを無くすため確実に膨らみを解消する事ができます。
ただし、注意するべきなのは膨らみがあるから単純に脂肪を無くせばいいというものではないという事で、眼窩脂肪は眼球を支えるという働きを担っているため、不必要に除去してしまえば眼球が下がって目がくぼんでしまったり、また脂肪を除去しすぎれば目元が大きく凹んだ状態になってしまう可能性もあります。
どの程度なら脂肪を除去しても問題がないのか、脂肪の除去では無く再配置を行ったり、逆に脂肪を注入したりといった方法を取る必要があるのかなど、目元の状態によって行うべき治療内容は異なりますので、様々な手法に精通して実績のある医師の治療を受けるようにしましょう。

上瞼のたるみ、眼瞼下垂

上瞼がたるんで黒目に覆いかぶさり、視界が悪化するような状態を眼瞼下垂といいます。
眼瞼下垂は加齢によってまぶたをあける筋肉の働きが低下したり、皮膚の弾力が無くなって垂れ下がったりすることで引き起こされるトラブルで、加齢によって生じやすい悩みの一つです。

眼瞼下垂の状態になると、視界を確保するために無意識におでこの筋肉などが酷使されるようになるため、慢性的な頭痛や疲労感といった悩みが生じる事もあります。

眼瞼下垂は形成外科術で治療が可能で、加齢によって伸びきってしまった眼瞼挙筋という筋肉を短く縫い縮めるといった手法などがあります。
また、皮膚の垂れ下がりでまぶたがたるんでいる場合には、眉下から切開して余分な皮膚を切除するといった手法が行われる事もあります。

目の上のたるみを解消すると、見た目が若くなるだけではなく眼瞼下垂によって生じる肩こりなどの症状も改善する形となりますので、お悩みの方は是非一度専門の医師にご相談ください。

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本コラムの監修医師

1978/04:富山医科薬科大学医学部医学科入学
1984/03:富山医科薬科大学医学部医学科卒業
1984/06:大阪市立大学医学部付属病院研修医
1986/04:大阪市立大学大学院医学研究科外科系外科学専攻
1990/03:大阪市立大学大学院医学研究科外科系外科学修了
1990/04:田辺中央病院医長
1991/04:城本クリニック

医学博士 / 日本美容外科学会専門医
第105回日本美容外科学会 会長
城本クリニック総院長 森上和樹

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