コラム
COLUMNレチノールはどんな効果がある?レチノイド反応(A反応)ってなに?
レチノールの効果には、ターンオーバーの促進や皮脂の過剰分泌を抑える効果があり、適切な濃度のものを正しく使うことで効果を発揮します。本記事では、レチノールの効果とあわせて、正しい使用方法や注意点を紹介します。
健やかでなめらかな肌にするために効果的な成分として、レチノールが注目されています。スキンケアに取り入れたいと考えているものの、正しい使い方が分からなかったり、副作用が気になったりする方も多いのではないでしょうか。
今回は、レチノールの効果や使用時の注意点、正しい使い方などを解説します。あわせてレチノール製品の選び方やレチノイド反応(A反応)も解説するため、これからレチノール製品を取り入れてみようと検討している方は、ぜひ参考にしてください。
レチノールとは
レチノールはビタミンA誘導体のことで、肌の健康維持や美肌ケアのために取り入れたい成分のひとつです。誘導体とは、ビタミンAが持つ大きな特徴は変えずに、製品として扱いやすいよう化学構造に変化を加えたものを指します。
レチノールは、シワやたるみの改善効果が期待できる美容成分として、スキンケア商品の開発に力を入れている企業も多い、美容分野で注目されている成分です。脂溶性ビタミンに分類されるビタミンAは、皮膚や目、粘膜の健康を維持するために欠かせない成分で、抗酸化作用もあるため肌を若々しく保つ効果も得られるといわれています。
ビタミンAは体内で生成されないため、食品やサプリメント、化粧品などから積極的に摂取しなければなりません。レチノールには約2,000種類以上の誘導体があり、それぞれ呼び方が異なるため、なにが肌によい成分なのか分からないこともあるでしょう。
ここでは、トレチノインや純粋レチノール、レチノール誘導体など、レチノールとの違いを詳しく解説します。それぞれの違いを理解して、レチノール製品選びの参考にしてください。
トレチノインとは違う?
トレチノイン(オールトランスレチノイン酸)は、ビタミンA誘導体のひとつで、レチノールの構造を変化させたビタミンAを指します。トレチノインは通常のビタミンAの約50〜100倍の濃度があり、ビタミンA類のなかでも高いエイジングケア効果を発揮することが期待されている成分です。
そのため、トレチノインは作用が強いことから医薬部外品や化粧品などへの配合は認められておらず、薬局やインターネットでは購入できません。疾患の治療が目的の医療用医薬品に分類されるため、歯科医師による診断ののち、医療機関での処方が認められています。
インターネットの普及により海外のサイトから高濃度のレチノールを入手することもできますが、日本人の肌に合っているかは不透明な部分があります。一概に高濃度なものが高い効果を発揮するとはいえないため、自分の肌に合っているものを選び、使用することが大切です。
「純粋レチノール」と「レチノール誘導体」の違い
純粋レチノールは、ほかの物質とくっついていない純粋なレチノールを指します。肌のなかで高い効果を発揮する一方、成分としては不安定なため、製品に配合するときは工夫が必要な成分です。
純粋レチノールを安定化させるため、純粋レチノールに別の物質をくっつけたものがレチノール誘導体です。レチノールは、肌に塗ると酵素の影響を受けて物質に変化が起こり、変化に応じてビタミンAの持つ作用が強まります。
純粋レチノールとレチノール誘導体は、肌へ作用するメカニズムは同じですが、レチノール誘導体は純粋レチノールよりも効果が穏やかという特徴があります。レチノール製品を選ぶ際は、純粋レチノールかレチノール誘導体かを成分表や説明書を確認してみましょう。
レチノールで期待できる効果
レチノールには、シワ、ハリ、たるみ、しみ、ニキビ、毛穴詰まりの改善、ターンオーバーの促進など、さまざまな肌悩みのケアが期待されています。なかでも、純粋レチノールは肌のなかで高い効果を発揮します。厚生労働省では、しわを改善する効果・効能が認められている、数少ない貴重な成分です。
ここでは、レチノールを取り入れることで期待できる効果を解説します。日ごろのスキンケアにうまく取り入れながら、なめらかな美肌を目指しましょう。
ターンオーバーの促進
レチノールの主成分であるビタミンAは、細胞のターンオーバー(新陳代謝)をうながす働きがあります。ターンオーバーが促進されると、肌の奥(基底層)にあるしみの原因といわれるメラニン色素がどんどん排出されていきます。
その結果、すでにできているしみやニキビ跡を目立たなくするほか、メラニン色素の発生を抑制する効果が期待できるのです。また、ターンオーバーが促進され古くなった角質が排出されると、肌のくすみが改善される効果も期待できます。肌のくすみが改善されると、顔の印象がパッと明るくなります。
レチノールにより、肌のターンオーバーが整うとさまざまな肌悩みが改善されます。この効果が美容成分として注目されている大きな理由のひとつです。
コラーゲンやヒアルロン酸の生成促進
レチノールで肌のターンオーバーが促進されると、コラーゲンのもとになる線維芽細胞が活性化します。その結果、コラーゲンやヒアルロン酸の生成が促されて表皮の保水力が高まり、内側からしっとり潤っているような肌感へ導く効果が期待できます。
肌の保水力が高まると乾燥しやすい目元のハリが上がり、小じわが目立たなくなったり、若々しい印象になったりといった変化も感じられるでしょう。また、空気が乾燥しやすい冬の時期では、乾燥による小じわや肌荒れの予防にも役立ちます。
皮脂の過剰分泌を抑制
レチノールには皮脂の過剰分泌を抑え、毛穴詰まりやニキビケアにも効果が期待できます。炎症のある部分の症状を抑えたり、腫瘍を抑制したりする効果も期待できるため、軽度なニキビから慢性的なニキビにも効果を発揮するといわれています。
また、皮脂の過剰分泌が抑えられることで、毛穴の黒ずみや毛穴開きの改善にも効果が期待できるでしょう。温度が上がり皮脂の分泌や毛穴が開きやすくなる季節に取り入れると、肌トラブルの予防にも役立ちます。
レチノールの注意点
レチノールはシワやたるみ、しみ、皮脂の抑制など、さまざまな肌悩みの改善に効果が期待できます。しかし、レチノールの代表的な副作用であるレチノイド反応や乾燥、紫外線のダメージなど、使用するときはいくつかの点に注意する必要があります。
また、レチノールの性質を知らないまま使用していると、肌トラブルを招くだけでなく、十分に効果を得られないこともあるでしょう。
ここでは、レチノールを使用するときの注意点を解説します。レチノールの使用が肌トラブルを招いてしまわないよう、よく理解してからスキンケアに取り入れてみてください。
レチノイド反応(A反応)が現れることがある
レチノールを使用することで、一時的に肌へ乾燥や赤み、かゆみ、ひりつき、皮むけなどの症状がでる場合があります。これを「レチノイド反応(A反応)」といい、急激に肌の新陳代謝が活発になることが原因で起こります。
ビタミンAの効果のひとつであるターンオーバー促進の効果が現れ、古くなった角質が剥がれ落ちることで、肌のバリア機能が一時的に低下してしまいます。レチノイド反応はビタミンAの一般的な副作用であり、アレルギー反応のような肌に悪い反応ではありませんが、肌の状態が乱れると不安に感じてしまいます。
レチノイド反応が出やすい人の特徴や対策を理解することで、レチノイド反応が出たときに慌てずに対応できます。レチノールを使い始める前に、基礎知識としてよく理解しておきましょう。
レチノイド反応が出やすい人の特徴は?
レチノイド反応は、ビタミンAが不足している肌に多量のビタミンAが補われるとレチノイド反応を起こしやすいといわれています。具体的には、乾燥肌、アトピー性皮膚炎、ステロイド治療中もしくは過去にしていた肌、日光アレルギーなどの肌質にレチノイド反応が出やすい傾向にあります。
一方で、ビタミンAが充足している肌にレチノールを使用しても急激にターンオーバーが進むことはないため、レチノイド反応が起こりにくいといわれています。そのため、レチノールを少量からはじめて肌にビタミンAが補われると、適量を使用してもレチノイド反応が出にくくなります。
レチノイド反応はどれくらいでおさまる?
レチノイド反応はレチノールの濃度や使用頻度にもよりますが、早いケースで翌日から、遅くても使用から1週間ほどで現れます。症状が続く期間には個人差がありますが、数日から長くても1〜2週間ほどでおさまることが多いでしょう。
使い続けることで肌にビタミンAが補われると、レチノイド反応は起こりにくくなります。1か月以上経っても症状が落ちつかない場合は、レチノイド反応だけでなくほかのトラブルも考えられるため、早めに医療機関を受診して相談してみましょう。
対策方法はある?
レチノールをはじめて使用する方は、使用前にパッチテストを行いましょう。耳の後ろに少量のレチノールを塗り、30分ほど待ってから赤みやかゆみがないか確認します。1日ほど様子を見てトラブルがなければ、顔の気になる部分へ塗布します。
そのほか、レチノールは比較的刺激の強い成分のため、皮膚が薄い目元への塗布は控えましょう。また、レチノールは肌が過剰に反応しないよう、コントロールしながら使用を続けることが大切です。
はじめてレチノールを使用するときは、濃度の低いものから濃いものに徐々に変える、朝晩のどちらか1回の使用にするなど、肌の様子を見ながらレチノールを使用していきましょう。
保湿を入念に行う
肌にレチノイド反応が起きたときは肌をしっかり保湿し、低下したバリア機能が早く回復できるよう身体の調子を整えながら過ごすことが大切です。
肌が乾燥するとレチノイド反応がより強く出てしまうこともあるため、いつもよりも念入りな保湿ケアを心がけましょう。日中にメイクをしている場合は、メイクの上から使える化粧水ミストなどを活用することをおすすめします。
紫外線対策をしっかり行う
レチノイド反応が出ているということは、一時的に肌のバリア機能が低下している状態です。バリア機能が低下している肌に紫外線を浴びると、肌トラブルを招いたり悪化したりする要因となります。
レチノールを使用している期間は、日焼け止めはもちろん、日傘や防止などのアイテムを使い、万全の紫外線対策を行いましょう。また、室内でも紫外線は降り注いでいるため、日焼け対策が必要になります。
他製品との併用に気をつける
レチノールは油溶性のため、水分量の多いスキンケア用品の使用直後にレチノールを塗布すると、レチノールの効果が出にくいことがあります。レチノイド反応をマイルドにする場合にはおすすめの方法ですが、しっかり効果を感じたい場合は、スキンケアの順番には注意が必要です。
ハイドロキノンやピーリング成分との併用に注意
肌の美白ケアやしみ改善にハイドロキノンが含まれたアイテムを使用している場合は、レチノールを使用することで肌トラブルが起こる可能性があります。また、肌の角質をマイルドに剥がすピーリングと、肌のターンオーバーが促進させるレチノールを併用すると、肌に過度な負担がかかります。
ハイドロキノンやピーリング効果のある成分が配合されているアイテムと併用する場合は、医師と相談したうえで、使用を検討しましょう。
ビタミンCとの併用は使用する順番を守ればOK
レチノールとビタミンCは相性が悪いため、併用する場合はアイテムを使用する順番に注意が必要です。
ビタミンAであるレチノールとビタミンCは、効果を発揮するpH(水溶性の性質を示すもの)が異なります。同時に使用するとそれぞれの働きを阻害してしまい、成分に期待する効果を十分に発揮できません。
一般的に肌の表面にある角質層は脂溶性と馴染みやすい性質があり、表皮の奥にある基底層は水溶性と馴染みやすい性質があります。そのため、ビタミンCとレチノールを併用する場合は、ビタミンCを塗ったあとにレチノールを塗るか、朝と夜で1種類ずつに分けて使用するようにしましょう。
レチノールの正しい使い方
レチノールは正しい順番や頻度で使用することで、肌悩みの解消の効果を発揮します。いきなり高濃度なものを毎日使用したり、スキンケアに取り入れる順番や頻度を間違えたりすると、期待した効果が得られません。
「レチノールを使って、肌荒れを起こしてしまった」ということがないように、レチノールの使い方を確認しておきましょう。ここでは、レチノールの正しい使い方を解説します。はじめてレチノールを使用する方から、慣れている方の使用方法の確認まで、ぜひ参考にしてください。
まずは週1~2回の使用から始める
はじめてレチノールを使用する方は、週に1〜2回ほどのスペシャルケアとして取り入れてみましょう。赤みやかゆみ、皮むけ、ひりつきなど、レチノイド反応の様子を見ながら、慣れてきたら徐々に回数を増やします。
ほとんどの場合、1〜2か月で毎日レチノールを使用してもレチノイド反応が出にくくなります。継続的に使用することが理想的な使い方なので、まずは肌トラブルを起こさないように少しずつ使用をはじめましょう。
早く効果を実感したくなる気持ちもありますが、急に毎日使用すると逆効果になることもあります。強いレチノイド反応が出てしまうと、元の肌の状態に戻るまで時間がかかってしまうことも少なくありません。刺激を抑えながら続けることが、美肌への近道です。
夜に使用する
レチノールは紫外線、空気、温度などで簡単に劣化してしまう不安定な成分です。朝に使用すると日光により不活化するため、夜に使用するようにしましょう。
また、レチノールは光の影響を受けやすいため、朝に使用すると紫外線と反応して成分が変化します。肌が紫外線の影響でダメージを受けやすくなるため、夜の使用が好ましいでしょう。
ただし、レチノールは製品により朝晩使えるタイプもあります。使用するアイテムの記載内容を参考に、日々のスキンケアに取り入れてみてください。
レチノールを使用している期間は、肌のバリア機能が低下する傾向にあります。レチノールを夜に使用する場合でも、日中の紫外線対策や十分な保湿を行い、外部の刺激から肌を守りましょう。
油分の多いスキンケアアイテムのあとに使う
レチノールの効果を十分に得るためには、スキンケアのどのタイミングに取り入れるのかも重要なポイントです。
レチノールは脂溶性のため、乳液やジェルなど、肌に油分を与えてからの使用が浸透しやすくなります。そのため、化粧水、美容液、乳液・ジェル、レチノール、保湿クリームの順で使うのがよいでしょう。
また、洗顔後すぐの乾燥した肌への使用は、肌への負担が大きくなるためおすすめできません。乾燥している状態ではレチノールの浸透も悪いため、化粧水や乳液のあとに使うのがマストです。
ただし、レチノール入りの化粧水であれば、洗顔後すぐの使用も可能です。油分の少ないものから多いものの順で使用することを参考に、アイテムが指定するタイミングで取り入れましょう。
適量を塗布する
レチノールは、シワやしみの改善効果に期待できます。しかし、たっぷりと肌に塗り込むと刺激が強すぎて、かえって肌トラブルを招く原因となります。なかでも、はじめてレチノールを使用する方や敏感肌の方は、それぞれの製品が推奨する適量を守りながら使用しましょう。
また、適量よりも少ない量からはじめると、肌の急激なターンオーバーが起こりづらくなります。レチノイド反応のリスクを下げることにもつながるため、最初は適量よりも少量ではじめるのもよいでしょう。
レチノールは比較的刺激のある成分のため、効果が期待できる方法で、刺激を抑えながら使用することを意識してみてください。
長期間の使用を継続する
レチノールの主成分であるビタミンAは、健やかな肌の維持には欠かせない成分です。継続的にコツコツと使用することで、すでに起きている肌トラブルの解消や、これから起こり得る肌トラブルの予防にもつながります。また、レチノールは使用をはじめてすぐに、目に見える効果が期待できるものではありません。短期的に肌悩みを解決したいときや、大きな効果をすぐに実感したいときは、美容整形外科で施術を受けるのもひとつの方法です。
城本クリニックでは自分の肌悩みに合っている施術や、これから起こり得る肌トラブルの予防につながる施術の提案をしています。自分の肌状態を客観的に知る機会にもなるため、ぜひ気軽にご相談ください。
こちらのページでは、若返りの美容施術を紹介しています。しわやたるみはもちろん肌や体の施術も紹介しているため、ぜひあわせてご覧ください。
レチノール製品の選び方
さまざまな肌悩みの改善に役立つレチノールは、多くのスキンケアアイテムに配合されています。数多くあるレチノール製品のなかから、自分に合ったものを選ぶ際は悩む方も多いでしょう。
ここでは、レチノール製品の選び方やレチノールの濃度を解説します。はじめてレチノール製品を購入する方は、アイテム選びや濃度を参考にしてみましょう。
最初は低濃度のものからお試しを
レチノールが配合されている製品をはじめて使用する場合は、低濃度のものから試すのがよいでしょう。しかし、製品によってはレチノールの濃度が記載されていないものもあり、選ぶのが難しいこともあります。
一般的に、美容液やクリームタイプのものは濃度が高く、化粧水は濃度が低い傾向にあります。レチノール製品をはじめて使用する方は、低濃度な化粧水から挑戦してみましょう。
化粧品ごとの濃度の目安
日本で市販される化粧品に含まれるレチノールの配合量は、250,000IU(IUとは薬理学で用いる効力の量を表す単位)で、重量換算すると約0.04%です。そのため、日本で販売されているレチノール配合製品のなかでは、レチノールが0.04%の配合率でも高濃度といえます。
また、近年では海外製品をインターネットで手軽に入手できるようになりました。海外製品には、0.04%以上のレチノールが配合されているものがあります。これは、日本人の肌には刺激が強すぎたり、輸送時の品質管理が不透明だったりすることから、積極的に使用するのはおすすめできません。
効果を感じられなければ美容医療へ
レチノールは健やかな肌を目指せる一方、深く刻まれたシワの改善やクレーターになったニキビ跡の改善など、十分な効果が見込めない症状もあります。ここでは、レチノールでは期待する効果が得られなかった場合に、受けてみたい美容施術を紹介します。
シワには「ボトックス注射」「ヒアルロン酸注射」など
目尻、おでこ、眉間などのシワは、筋肉の働きを抑制するボトックス注射や、肌にボリュームを与えるヒアルロン酸注入などの施術があります。
それぞれシワをなくす施術ではありませんが、目立たなくなり、いきいきとした印象を与える効果が期待できます。大がかりな施術ではないため、ダウンタイムも少なく、はじめて美容医療を受ける方でも検討しやすい施術です。
<ボトックス注射は公的医療保険が適用されない自由診療です。>
標準的な費用 | 30,800円~110,000円(税込) ※種類、部位により異なる |
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目安の治療期間及び回数 |
治療期間 1部位につき5分程度 通院回数 1回〜 |
リスク・副作用 |
・腫れ・内出血・むくみ 注入した部位に腫れや内出血、むくみ、かゆみなどが起こることがあります。1週間程度で症状が治まります。 ・アレルギー反応 ボトックスを注入することで体内で異物と察知して、アレルギー反応が起こることがあります。1週間〜1か月で治まることがほとんどです。 ・噛む力が弱まる 噛む時に使われるあごの筋肉を緩めることから、食事中に噛む力が弱まったと感じることがあります。1週間程度で症状は気にならなくなります。 ・頭痛 術後の頭痛や倦怠感の症状は安静に過ごしていれば数日間で治まります。発熱や吐き気、めまいといった症状がある場合は医師に相談しましょう。 ・左右非対称 人間の顔は生まれつき左右非対称ですが、注入量や注入箇所を誤ると左右がより非対称になり、不自然な仕上がりになってしまうことがあります。技術力のある医師に依頼しましょう。 ・表情がこわばる ボトックスには筋肉を弛緩させる効果があるため、担当医が注入量を誤った場合、術後に顔がこわばったような表情になってしまうリスクがあります。技術力のある医師に依頼しましょう。 ・皮膚のたるみ 年配の方や皮膚の薄い方、皮膚が柔らかく弾力性があまりない方は、術後に筋肉が緩んで表面の皮膚が余ってしまい、たるみが出ることがあります。 |
標準的な費用 | 10,780円(0.1cc)~154,000円(1cc)(税込) |
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目安の治療期間及び回数 |
治療時間・期間 5~15分程度/1日 通院回数 1回~ |
リスク・副作用 |
・内出血 注入した部位に内出血を起こすことがあります。1週間程度で症状が治まります。 ・腫れ・むくみ ヒアルロン酸注入による刺激で、腫れ・むくみが現れることがあります。3〜4日で治まるケースがほとんどです。 ・痛み 注射針を刺すときや、ヒアルロン酸を注入するときに痛みを感じることがあります。痛みが心配な方は、局所麻酔を使用して施術することができます。 ・違和感 ヒアルロン酸が皮下に注入されることで、突っ張った感覚を覚えることがあります。1週間ほどで慣れるケースがほとんどです。 ・ヒアルロン酸が透けて見える 皮膚の浅い位置にヒアルロン酸を注入すると、肌の上からヒアルロン酸が透けて見える「チンダル現象」が起こることがあります。気になる場合は、ヒアルロン酸分解注射を打てば解消できます。 ・しこり ヒアルロン酸は体内に元々ある物質ですが、稀に異物反応を起こすことがあります。時間の経過とともに減少しますが、しこりが大きかったり痛かったりする場合は、ヒアルロン酸を分解する処置が必要になるでしょう。 ・感染 稀なケースですが、ヒアルロン酸注入時に「バイオフィルム」という菌膜ができてしまい、感染するケースがあります。持病がある方や、免疫力が下がっていると感じる方は、、治療の前に医師へ相談しましょう。 ・アレルギー反応 ごく稀に、かゆみやじんましんなどの、アレルギー反応を起こす可能性があります。症状が気になる場合は、気が付いた時点で医師に相談しましょう。 |
たるみには「フェイスリフト」「糸リフト」など
年齢を感じさせるたるみには、フェイスリフトや糸リフトを行うことで、若々しい印象を取り戻す効果が期待できます。たるんだ皮膚をグッと持ち上げるため、若く見えるだけでなく、老けて見えるたるみを予防する効果も期待できる施術です。
気になる部分をしっかり解消したい方や、ボトックス注射やヒアルロン酸注入では改善が見込めない方に適しています。
<フェイスリフトは公的医療保険が適用されない自由診療です。>
標準的な費用 | 385,500円~660,000円(税込) ※治療範囲により異なる |
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目安の治療期間及び回数 |
治療時間・期間 3~4時間程度/1日 通院回数 3回~5回 |
リスク・副作用 |
・痛み 施術直後から1~2日ほどは、じんじんとした痛みを感じることがあります。術後1週間ほど過ぎると、徐々に軽快します。 ・腫れや赤み 傷口の周辺に腫れや赤みがでることがあります。個人差はありますが、半年から1年ほどで徐々に治癒します。 ・後戻り 永久的な効果はなく、2回目の施術が必要になるケースもあります。永続的な効果は期待できず、徐々に効果が薄くなることを理解したうえで、施術を検討しましょう。 ・傷跡 耳の周りやおでこの上(生え際)など目立ちにくい部位を切開しますが、切開した箇所に傷跡ができます。 ・感染 皮膚を切開する施術のため、傷口から細菌感染を起こす可能性があります。抗生剤の服用などによる治療が必要なため、気になる症状があれば医師に相談しましょう。 ・血腫 広い範囲の皮膚を剥がすため、術後に施術した部位に血が溜まることがあります。多くのケースでは時間の経過とともに吸収されますが、状態によっては処置が必要です。放置すると皮膚が壊死する可能性もあるため、早めに相談しましょう。 ・顔面神経麻痺 顔面にゆがみが起こる顔面神経麻痺が残る可能性があります。フェイスリフトをする上で100%回避することはできず、治療法がないため自然に軽快するのを待つしかありません。 ・知覚障害 皮膚がぴりぴりする不快な症状が残る可能性があります。フェイスリフトをする上で100%回避することはできず、治療法がないため自然に軽快するのを待つしかありません。 ・唾液ろう 耳下線を傷つけてしまうと、傷口からだ液が漏れてくる可能性があります。傷口を処置することで改善できますが、回復に時間がかかることがあるでしょう。 |
<糸リフトは公的医療保険が適用されない自由診療です。>
標準的な費用 | 4本 206,800円(税込) 追加1本 55,000円(税込) |
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目安の治療期間及び回数 |
治療時間・期間 30分程度・1日 通院回数 通院の回数制限なし |
リスク・副作用 |
・痛み 軽度の痛みや違和感が生じる場合があります。数日から1週間程度で自然に消失します。場合によっては長期間痛みが続くことがあります。 ・腫れや赤み 糸を挿入する部位によっては、軽度の腫れや赤みが生じる場合があります。数日から1週間程度で自然に消失します。 ・皮下出血 糸を挿入する際に、皮下出血が生じることがあります。多くの場合、出血は軽度で自然に吸収されますが、まれに瘢痕が残ることがあります。 ・感染症 糸を挿入する際に、感染症が生じる可能性があります。感染症が生じた場合には、抗生物質などの治療が必要になります。 ・糸の切れ・抜け 糸が切れたり、抜けたりすることがあります。糸が切れた場合には、再度糸を挿入する必要があります。 ・肌に凹凸ができる 糸を引っ張る力の強さによって肌の表面に凹凸が生じる場合がありますが、凹凸ができても施術後少しずつ目立たなくなります。 ・糸が透けることがある 皮膚の浅い部分に糸が埋め込まれると、施術後顔をよく見たときに糸が透けて見える場合があります。 ・効果の持続が永続的ではない リフトアップ効果が永久的に続くわけではありません。多くの場合施術効果が感じられるのは1~2年です。 ・強いタルミはリフトアップしきれない場合もある 切開リフトと比べると糸リフトは効果が弱く、強いたるみにはあまり効果がありません。 ・顔が引きつる 糸の引っ張り方が強すぎると施術後顔が引きつったような仕上がりになることがあります。施術から2~4週間ほど経つと気にならなくなるケースが多いです。 |
ホームケアとしての「トレチノイン」
肌は年齢を重ねるごとにエイジングが進むため、ホームケアとしてクリニック専売のトレチノインを使用するのもよいでしょう。医師による診断のうえ、適した使用方法を説明してくれるので、自己流の使用で肌トラブルを起こしてしまう心配もありません。
自宅でも高い効果が期待できるレチノールを使用したい方は、気軽に美容整形外科へ相談してみましょう。
<トレチノインは公的医療保険が適用されない自由診療です。>
標準的な費用 | 2,200~5,500円(3g)(税込) ※濃度により異なる |
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目安の治療期間及び回数 |
治療時間・期間 2~3か月から半年 通院回数 1回~ |
リスク・副作用 |
・乾燥 鼻や目なども含めて体全体が乾燥しやすくなります。唇にはワセリンを、肌にはローションやクリームなどの保湿剤を塗布してください。 ・痛み 関節痛、筋肉痛、骨痛が起こる場合があります。症状が軽度であれば服用を継続できます。症状が重症なときには、医師にご相談ください。 ・脱毛 まれに抜け毛が増える可能性があります。服用を中止すると症状は回復します。軽度であれば服用を継続できます。重度なときは、医師にご相談ください。 ・頭痛 まれに頭蓋内圧が亢進することで頭痛が起こります。 軽度であれば減量により内服を継続できる場合もあります。ただし、症状によっては中止が必要な場合もあるため、医師までご相談ください。 ・重篤な副作用(アナフィラキシーショック、視力低下、うつ病、幻覚、潰瘍性大腸炎など) 非常に稀ですが、重篤な副作用がおこります。服用中になんらかの激しい症状が出たときには、服用を中止してすぐに医師までご相談ください。 |
城本クリニックでは、LINEで手軽に悩みの相談や来院予約ができます。友だち追加をして質問に答えるだけで簡単に登録できるため、美容施術に不安や悩みある方はぜひご登録ください。
まとめ
レチノールはシワやたるみ、しみ、ニキビなど、さまざまな肌悩みのケアに取り入れたい美容成分です。継続的に使用することで高い効果が期待できる一方、レチノイド反応が出ることもあるため、様子を見ながら正しく使用することが大切です。
本記事で紹介したレチノールの正しい使い方、注意点、選び方などを参考に、ぜひ毎日のスキンケアにレチノールを取り入れてみてください。
レチノールのより効果的な取り入れ方が知りたい方や、もっと大きな変化を得たいという方は、美容整形外科に相談するのもおすすめです。城本クリニックでは、クリニック専売のドクターズコスメや、ダイレクトなアプローチが可能な各施術を取り扱っています。肌トラブルはひとりで悩まず、気軽にご相談ください。
本コラムの監修医師
1978/04:富山医科薬科大学医学部医学科入学
1984/03:富山医科薬科大学医学部医学科卒業
1984/06:大阪市立大学医学部付属病院研修医
1986/04:大阪市立大学大学院医学研究科外科系外科学専攻
1990/03:大阪市立大学大学院医学研究科外科系外科学修了
1990/04:田辺中央病院医長
1991/04:城本クリニック
医学博士 / 日本美容外科学会専門医
第105回日本美容外科学会 会長
城本クリニック総院長 森上和樹