コラム
COLUMN目頭切開の失敗で一番多い「やり過ぎ」の原因と失敗しないための対策方法
目頭の皮膚を切開して広げる事で目の形を調整する「目頭切開」ですが、この施術でよくある失敗がやり過ぎてしまったというものです。
なぜ目頭切開のやりすぎが発生してしまうのか、その原因と対策、そしてやりすぎてしまった場合の対処法について詳しく解説いたします。
目次
目頭切開とは
目頭切開とは、目頭部分にある皮膚を切開して組み替えや短縮を行って縫い合わせる事で、目頭の形状を変える手術です。
一般的には目と目の距離を近づける手法として認識されていますがこれは正確ではなく、あくまでも目の形を調整するための手法であり、目と目の間を近づけるのはその効果の中の一つとなります。
日本人の約80%程度は目頭に「蒙古ヒダ」とよばれる皮膚が覆いかぶさっていると言われていますが、目頭切開は主にこの蒙古ヒダを開いて目の形を整えるものとなります。
そのため、蒙古ヒダがある事で目頭にピンク色の部分(涙丘)が見えないような目元の方は、目頭切開による変化が出やすいタイプです。
目頭切開を行うと目の横幅を広くするだけではなく、蒙古ヒダの巻き込みによって二重のラインが目頭側で消失する状態を解消するため、綺麗な平行二重を作る際などにも行われます。
目頭切開をやり過ぎるとおかしな目元に
注意が必要な点として、目頭切開によって蒙古ヒダを開くと、目の内側の赤い部分(涙丘)が露出するようになります。目頭切開はあくまでも表面の皮膚を操作するものですので、切開した箇所に眼球の白い部分がずっと広がってくるわけではありません。
これがある程度の分量であれば不自然さは無いのですが、例えば元々涙丘が見えていたような方が目頭切開を行うと、目頭の赤い部分が露出する範囲がその分広がります。
こうなると明らかに不自然な状態になりますし、見た目のバランスも悪くなってしまいますので、いわゆる目頭切開が失敗した状態といえる状況になります。
目頭切開をやり過ぎると、目と目の距離が近すぎるというようなトラブルになるというよりも、クチバシ目頭や丸目頭と呼ばれるような「不自然な状態の目元」になってしまう事が、一番多い失敗といえるでしょう。
クチバシ目頭
目頭の切り込みがクチバシのように鋭い形で内側に入りこんだ形状です。
外国人の目元に近い特徴ですが、骨格的に凹凸が少ない日本人で目頭だけ深く切り込みが入ってしまうと、どうしても不自然になってしまうケースがあります。
丸目頭
目頭に鋭い切り込みが入ったような形状ではなく、先端が丸まったような状態の目頭になるケースもあります。
こちらのケースはかなり不自然になりやすく、明らかに目頭を整形したと見られてしまうような状態になります。
やりすぎ以外の目頭切開の失敗
目頭切開が「失敗した」となる一番多いパターンはやりすぎによるものですが、逆に変化が少なくて失敗したと感じるケースもあります。
これは、やりすぎによって不自然な見た目になる事を恐れて変化が小さい手術となってしまった場合や、そもそも変化が大きく出せないような術式で手術を行った場合に発生するものです。
また、医師の技術力不足などで手術後の傷跡が目立ってしまうなども、一つの失敗として考えられます。
こうしたトラブルを防ぐためには、実績が豊富で技術力のある医師の治療を受ける事はもちろん、事前のカウンセリングでしっかりと要望を伝え、理想の目元についてきちんと医師と認識のすり合わせを行いながら、最適な施術方法を選択する事が大切です。
目頭切開の術式
目頭切開にも複数の術式があり、それぞれにメリットやデメリットがあります。
実際にどの術式が適しているかは元々の目元の特徴と目指したい目の形によって変わりますので、医師と十分に相談して決めるようにしましょう。
オーソドックスで元に戻せる「Z法」
Z法は目頭切開の中でも最もオーソドックスな方法で、蒙古ヒダ部分をZ型に切り開き、皮膚を入れ替えて縫い留める事で目頭の形を整えます。
蒙古ヒダを解消するだけではなく、目頭の形を調整しやすい点や、皮膚を切除しないため仕上がりに納得がいかない場合は元に戻す事も可能である点が大きなメリットです。
一方で、蒙古ヒダの厚みなどによってはZ法では目頭を大きく変更する事が難しい場合もあり、その際には他の手法が選択されます。
目頭側に大きく開く「W法(内田法)」
目頭をWの形に切開する事からW法といわれている手法です。
皮膚を切除して引き込みながら縫い留めるため、蒙古ヒダがとても厚くZ法では解消が難しいような目元の方でもしっかりと効果を出しやすい術式です。
一方で、皮膚切除を伴う事で傷跡が大きくなりやすい点や、切除された皮膚の分、縫いとめた箇所に負荷がかかりやすいため、術後のダウンタイムが長くなりやすいなどのデメリットがあります。
また、目頭にかなり大きな変化を持たせたいという方には適していますが、一方でやりすぎによる失敗にも繋がりやすいため事前の医師との相談をしっかり行いましょう。
三日月法(単純切開)
目頭の皮膚を単純に広げたい範囲で切除する方法で、三日月型に皮膚を切除するため三日月法と呼ばれます。
最もシンプルで変化も分かりやすく、昔からある方法ですが、皮膚を切除するためダウンタイムが長く、傷跡も残りやすいため現在はあまり行われていない術式です。
リドレープ法(韓国式目頭切開)
目の形にそって皮膚を切開し、蒙古ヒダの緊張の原因となっている内側の筋肉を操作して弱めた上で、目頭を下方に広げるような形で縫いとめる術式です。
筋肉の操作によって目の開き方が改善されますが、蒙古ヒダそのものの切除などは行われないため、見た目の変化としては他の手法と比べて小さく、平行二重を目指したいなどの場合には不向きです。
一方で目の形に沿って切開が行われるため、傷跡は最も目立ちにくく自然な仕上がりとなります。
あまり大きな変化はいらないが、目頭の開きを改善して目力をアップしたいというような場合に適しています。
目頭切開をやり過ぎた場合の修正手術
目頭切開が「やり過ぎ」の状態になり、不自然な目元となってしまった場合には「蒙古ヒダ形成」という目頭切開と真逆の術式で修正が行われます。
手法としても目頭切開の逆で、Z法での皮膚の組み替え方を、逆方向に持っていく事で蒙古ヒダを形成していきます。
ただし、手術によって余分な皮膚を切除する事は出来ても、足りない皮膚を追加する事はできませんので、W法などで皮膚が切除されて無くなっていた場合は蒙古ヒダ形成による修正が困難なケースもあります。
またZ法で行った目頭切開の修正であっても、1度目の手術と2度目の手術の時では皮膚の固さなどが変わってくるため、修正手術の難易度の方がどうしても高くなります。
実際に修正が可能かどうかは医師が直接確認しないと判断がつかない場合が多いので、まずは一度信頼できる医師にご相談ください。
目頭切開で失敗しないために
目頭切開でやりすぎなどによる失敗を避けるためには、何よりもまず実績が豊富で信頼できる医師を見つける事が大切です。
ただし、医師の腕が良くてもカウンセリングの時間が十分に用意されず、目元の確認や目指している目の形の認識共有が不足してしまえば、最適な治療を受ける事は困難となります。
医師と直接相談する時間が十分に設けられ、安心して治療を受けられるようなクリニックを選ぶようにしましょう。
また、仕上がりをよくするためには手術だけではなく術後のダウンタイムの過ごし方も大切です。
術後の過ごし方によっては傷跡がなかなか解消されなかったり、腫れなどのトラブルが悪化してしまったりしますので注意しましょう。
目に血流が溜まらないようにすごす
目頭切開の後は、むくみなどをなるべく避けるため、目元に血流がたまらないようにする事が大切です。
腫れが目立つ場合は清潔なタオルで巻いた冷却材などを使って冷やしたり、寝る時には少し頭を高くして寝るようにするなど、目元に血流がとどまるのを防ぎましょう。
また、血流が良くなりすぎるのも腫れやむくみが続いてしまう要因ですので、激しい運動や熱いお風呂への入浴、アルコールなどはダウンタイム期間はなるべく控えましょう。
まぶたに刺激を加えない
まぶたを強くこするなどの刺激はなるべく避けましょう。
メイクを落とす際の刺激なども極力避けた方が良いので、ダウンタイム中は擦らなくても簡単に落とせるようなものにするなどの工夫をしましょう。
完全に落ち着くまでは変化を気にしない
術後数か月までは、組織が回復していく過程にあるため腫れもありますし、傷跡も徐々に変化が起きていきます。
目頭切開による変化がしっかりと確認できるまでには術後1~2か月は少なくともかかりますので、目元が思っていたような状態にはなっていなくとも、この期間が経過するまではあまり気にしないで待つようにしましょう。
実績豊富な医師のカウンセリングと手術で理想の目元に
城本クリニックには、無資格のカウンセラーはいません。スタッフは医師と看護師のみで、カウンセリングから手術までをしっかりと担当する医師が十分に時間をとって行いますので、安心して治療を受けていただく事ができます。
まずはどんな手術が自分にあっているのかの相談だけしたいという方でも大丈夫ですので、治療が気になる方は一度お気軽にご相談ください。
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本コラムの監修医師
1978/04:富山医科薬科大学医学部医学科入学
1984/03:富山医科薬科大学医学部医学科卒業
1984/06:大阪市立大学医学部付属病院研修医
1986/04:大阪市立大学大学院医学研究科外科系外科学専攻
1990/03:大阪市立大学大学院医学研究科外科系外科学修了
1990/04:田辺中央病院医長
1991/04:城本クリニック
医学博士 / 日本美容外科学会専門医
第105回日本美容外科学会 会長
城本クリニック総院長 森上和樹