コラム
COLUMNボトックスで失敗する事はある? リスクや副作用について詳しく解説
ボトックス注射という治療法は美容治療の中でも特に人気となっている治療法の一つで、治療にかかる時間も短くダウンタイムなどのリスクも少ない事から数多くの方が取り入れています。
最近ではテレビ番組などでも紹介される事も多く、youtubeでの配信などでもよく取り上げられているようですので、ご存じの方も多いのではないでしょうか。
そんなボトックス治療についてですが、やはり治療には良い面ばかりではなくリスクや副作用も存在しているもの。治療の失敗例などが気になるという方も多いと思います。
今回はボトックス治療について、どのような失敗パターンなどがあるのかを中心に詳しく解説いたします。
ボトックス治療とは?
ボトックス治療は、ボツリヌス毒素という神経に作用する毒の一種を薄めて精製し、人体に対して悪影響が無い薬品として注射を行う事で様々な悩みの解消を行う治療法です。
主に注射によって行われるため、ボトックス注射などと呼ばれる事が多いです。
ちなみに、ボトックスというのは米国のアラガン社が持つ商品名の商標であるため、ボツリヌス毒素による製剤を使用した治療はボツリヌストキシン注射とよばれる事もあります。ボツリヌストキシンとはボツリヌス毒素の事です。
ボツリヌストキシンの薬剤はボトックス以外にも複数存在しているのですが、ボトックスという薬剤が広く流通しており、ほぼ一般名称となっている事からボトックス以外のボツリヌストキシン注射を行う場合も「ボトックス注射」と呼ばれる事もあります。
ボトックス注射の効果
ボトックス注射は、筋肉に注射する事でその筋肉の働きを抑制するという効果を発揮します。
これは、筋肉などを動かす神経からの指令となる「アセチルコリン」という物質の働きをボトックス注射が阻害するためで、脳から筋肉を動かそうという指令が出ても、その指令が筋肉に届かなくなる事で筋肉が動かなくなるためです。
筋肉が動かなくなるというとマイナスの印象がありますが、これによって下記のようなお悩みの解消が期待できます。
表情筋の動き過ぎによる表情ジワの解消
目尻に出来る笑いジワや、眉間に出来る縦ジワ、おでこの横のシワは表情筋の「動きすぎ」によって作られるシワです。
表情筋の動きによって皮膚がよれてしまい、これが日常的に繰り返される事でシワとして定着する状態となります。
ボトックス注射で表情筋の動き過ぎを抑制すると、当然皮膚のよれが無くなりますのでシワは作られません。
肌は一定周期でターンオーバーして生まれ変わっていますので、シワができないように過ごす事で肌の細胞が入れ替わっていき、すでに出来てしまっていたシワも徐々に解消されていきます。
噛みしめる力の「咬筋」の発達によるエラの解消
食べ物を食べたりする際、噛みしめる力は「咬筋」という筋肉によって行われます。
この咬筋は頬の横、エラの辺りにある筋肉ですので、咬筋が発達するとエラが横に張り出したような輪郭になります。
ボトックス注射で咬筋の働きを抑えると、徐々に咬筋が細くなっていきますので、筋肉によるエラの張りが解消されてすっきりとしたフェイスラインを手に入れる事ができます。
表情のコントロール
表情筋の使い方のクセなどによって、いつも怒っているように見られてしまうなど表情の見え方にお悩みの方は、ボトックス注射で表情筋の動きをコントロールする事で柔らかい表情を作るなどの対応が可能です。
筋肉の発達によって太くなるふくらはぎなどの痩身
ふくらはぎや肘より先の前腕は、脂肪はあまりつかずに筋肉の発達によって太く見えやすい部位です。
ボトックス注射で筋肉の働きを抑える事で徐々に筋肉を細くしていく事で、こうした部位を痩身させる部分痩せが可能となります。
ボトックス注射の副作用は?
ボトックス注射は毒素を原料としている薬品であるため、副作用が気になるという方は多いのではないでしょうか。
ボトックスは、現在世界中で利用されている薬剤であり、その歴史も20年を超えるものとなってきていますが、現在までに大きな副作用というものは報告されておらず、非常に安全性の高い治療という事ができます。
ボトックスに限らず、ボツリヌストキシン注射で用いられている薬剤はどれも品質管理を徹底されているため、薬剤そのものによるトラブルというものはまず考えなくて良いでしょう。
ボトックス注射での失敗リスクは?
副作用という点ではあまり心配が無いボトックス注射ですが、治療に関して全く失敗のリスクが無いかというとそういうわけではありません。
ボトックス注射における失敗例としては下記のようなものが挙げられます。
表情がぎこちなく不自然になるケース
ボトックス注射は表情筋の働きを抑える事でシワを改善したり、表情をコントロールする事が出来る治療ですが、働きを抑制する表情筋を間違えてしまったり、注射の分量を間違えて筋肉の動きを制限しすぎたりしてしまうと表情が不自然になってしまう可能性があります。
失敗例としては、眉間の縦ジワやおでこの横ジワを防ぐために眉の動きをコントロールする表情筋の動きを抑制する際に、注射の量が多すぎて眉が全く動かなくなってしまうと、眉をひそめたり持ち上げたりといった動きが出来なくなり、無表情に近い状態となってしまいます。
このように、注入する位置や分量を間違えるとトラブルに繋がる可能性があるため、ボトックス注射を行う際は症例件数が豊富であるなど適切な治療が行える医師の治療を受ける事が大切です。
また、注入に慣れている医師であっても、はじめてボトックス治療を受ける場合は注射の効果がどの程度出るかが分からず、効きすぎてしまうという事もあるため、複数の部位に一度に注射を行ったり、多めの量の注射を行ったりはしないようにした方がいいでしょう。
適切な治療の進め方を医師とよく相談して、トラブルを予防しながらの治療をうけるようにしましょう。
まぶたが重く開きにくくなるケース
これも注入する分量などによるトラブルですが、目尻の笑いジワを解消する目的などで目元にボトックス注射を行った場合、まぶたを開く筋肉の動きを制限してしまってまぶたが重く、開きにくくなってしまうケースがあります。
ボトックス注射は一定期間で効果が無くなって元に戻るため、半年から一年程度が経過すれば自然と改善しますが、それまではその状態が続いてしまうためやはり最適な治療を行える医師を選ぶ事が重要です。
たるみが出来てしまうケース
エラのハリを解消する目的でエラボトックスを行った場合などで、発達した筋肉が弱まった結果、その筋肉に支えられていた組織が下がってたるみとなってしまう事があります。
こうしたケースでは、ボトックスと併せてたるみの解消を行う糸リフトなどの治療を併用する事がおすすめです。
噛む力が減少して食事がしにくくなる
これは失敗例というよりは治療の結果として表れる効果の一つですが、エラの咬筋の働きをボトックス注射によって抑制した場合、噛む力を抑制する事になるため、硬い食べ物が食べにくくなるなどの影響が生じます。
噛む力が弱くなることで、歯ぎしりによるトラブルを軽減できるというメリットもあります。
笑顔が作りにくくなる
ボトックス注射を行う部位によっては、口角が上げにくくなってしまうなど笑顔が作りにくくなる事もあります。
表情筋は多数の筋肉がバランスを取り合って働いていますので、それぞれの筋肉の働きを十分に理解し、最適な治療を行える経験豊富な医師の施術を受ける事が失敗を避けるポイントです。
ボトックス注射で失敗した場合にリカバリは可能?
おなじくプチ整形として人気のものにヒアルロン酸注入がありますが、ヒアルロン酸の場合はヒアルロニダーゼというヒアルロン酸を分解する酵素を利用する事で、治療の状態をすぐに元に戻す事が可能です。
一方で、ボトックス注射の場合は薬剤の働きを無効化する方法がないため、薬剤の影響を無くすためには時間の経過を待つしかありません。
ボトックス注射の効果そのものは半年程度で無くなっていきますので、最長でもこのくらいの期間が経過するまで待てば自然と元の状態に戻す事ができます。
そんなに長い間待つ事が出来ないという場合に、リカバリを行うための方法のひとつとしては、注射を行った部位に近い所にも追加で注射を行うというものがあります。
例えば眉を上げる筋肉の働きがボトックス注射によって抑制されてトラブルになっているのだとすれば、付近にある「眉を下げる」働きの筋肉も抑制してしまえば、相対的に眉を動かす力は元の状態と近づくため、トラブルを改善する事が出来るというものです。
ただし、こうした方法は難易度も高く、場合によっては更なるトラブルに繋がってしまう可能性もありますので、技術力のある医師とよく相談して治療を受けるかどうかをよく考える必要があります。
一番ははじめから失敗しないように、経験豊富な医師の施術を受ける事ですので、医師選びをしっかりと行うようにしましょう。
また、何かトラブルが発生したと感じたら早めに担当の医師に相談するようにしましょう。
術後の過ごし方でも失敗に繋がる事がある
ボトックス注射の失敗を防ぐためには医師選びが大切ですが、もう一つのポイントが術後の過ごし方です。
注射によって注入した薬剤は治療後ある程度の時間をかけて作用していく形となりますが、治療後に注入部位を強く揉んでしまったり血流が大幅に上がるような事をしてしまうと、薬剤が分散してしまう可能性があります。
薬剤が分散してしまうと、意図していない働きとなってしまったり、治療の効果が弱くなってしまう事で失敗に近づいてしまいますので、こうした状態にならないように術後の過ごし方には注意が必要です。
具体的には注入部位のマッサージをしない事や、激しい運動をしない事。洗顔なども強く行ってしまうとマッサージと同じような影響となってしまいますので、優しく洗顔するようにしましょう。
また、ボトックス注射の薬剤は熱によっても働きが弱くなるため、サウナや入浴などは治療後24時間は控えるようにしましょう。
その他、エラボトックスを打った状態で頬杖をついたり、顔にボトックスを打った状態でまくらに顔を強く押し当てて寝たりすると、これも薬剤を分散させてしまう可能性があるため、治療後数日間は意識してこうした行為を避けるようにしましょう。
その他、治療後の過ごし方については担当の医師から注意点が説明されますので、しっかりと守って過ごすようにすることが大切です。
ボトックス治療は城本クリニックにお任せください
城本クリニックは、形成外科専門医や美容外科専門医の資格を持つドクターをはじめとして、表情筋の働きなどを熟知した上で最適なボトックス注射を行う事ができる、経験豊富で技術力の高い医師が揃っています。
また、医療資格を保有しないカウンセラーなどがおらず、診療やカウンセリングを担当の医師が十分な時間をとって行いますので、希望のデザインなどをしっかりと共有して、理想的な仕上がりを達成しやすい体制が整っています。
失敗しないボトックス治療をお求めの方は、是非一度当院にご相談ください。
本コラムの監修医師
1978/04:富山医科薬科大学医学部医学科入学
1984/03:富山医科薬科大学医学部医学科卒業
1984/06:大阪市立大学医学部付属病院研修医
1986/04:大阪市立大学大学院医学研究科外科系外科学専攻
1990/03:大阪市立大学大学院医学研究科外科系外科学修了
1990/04:田辺中央病院医長
1991/04:城本クリニック
医学博士 / 日本美容外科学会専門医
第105回日本美容外科学会 会長
城本クリニック総院長 森上和樹