エクソソーム療法の効果とは？　幹細胞培養上清液やNMNなどとの違いも詳しく解説 | 美容注射・点滴なら城本クリニック。

COLUMNエクソソーム療法の効果とは？　幹細胞培養上清液やNMNなどとの違いも詳しく解説

点滴などで手軽に受けられるエイジングケア治療として導入する医院も増加しているエクソソーム点滴などの治療ですが、様々な情報があり結局どのような効果があるのか良く分からないという声も耳にします。
エクソソームとはどのようなもので、具体的にどういった効果が得られるのか。また、一緒に説明が行われる事の多い幹細胞培養上清液や、同じような効果が紹介されるNMN点滴などとはどのような違いがあるのかなどについて詳しく解説いたします。

エクソソームで期待できるとされている効果

まず、エクソソームを点滴や水光注射などによる局所投与を行った場合に期待できる効果は下記の通りです。

エクソソーム点滴によって期待できる効果

• 血管の修復、血管年齢の若返り
• 全身の代謝改善
• 疲れやすさの改善
• 免疫力の向上
• 全体的な肌質ケア

エクソソームの局所投与によって期待できる効果

• 小じわやちりめんジワなどのエイジングサインのケア
• 頭髪の育成
• 視力の改善
• 脳の若返り

エクソソームは「細胞間の情報伝達」を行うもの

エクソソームは実は私たちの体の中でも日々作られ続けているもので、その主な役割は細胞間の情報伝達を行うためのものといわれています。

私たちの体は沢山の細胞によってできていて、この細胞の中にはDNAなどの物質が含まれており、このDNAの情報を元に体に必要なタンパク質など様々な成分が作られています。
DNAがタンパク質を合成する際には一度mRNA(メッセンジャーRNA）というものを作り、このmRNAがタンパク質などの合成を始めるのですが、エクソソームはこうしたmRNAなどがとても小さなカプセルに入った状態で細胞の外に放出されたものです。

そのため、ある細胞から作られたエクソソームが他の細胞に入り込むと、エクソソームに含まれるmRNAの情報などから新しいタンパク質などを作り出すなどの活動を開始するようになるのです。

特定の細胞から作られたエクソソームなどの成分が、周囲の細胞へ働きかけて活動を促進する事を「パラクライン効果」と呼び、この効果を有効活用して美容や健康に役立てようというものがエクソソーム点滴などの治療です。

エクソソームは「どんな細胞から作られたか」が重要

このように、エクソソームは「細胞の中のmRNAなどを含んだカプセル」の総称ですので、実はどのような細胞から作られたのかによって期待される効果が異なります。
体の健康や美容に効果的な成分の合成を促進するエクソソームがある一方で、癌細胞の情報から作られたエクソソームは周囲の細胞を癌化させてしまう作用があるとして、こちらも治療の研究のため注目されています。

そのため、治療で利用されるようなエクソソームは主に「乳歯歯髄由来の幹細胞」や「臍帯血（へその緒から採取された血液）由来の幹細胞」など、代謝が活発な時期の細胞から作られたものです。

活発な細胞由来のエクソソームを利用する事で「若返り」効果が期待できる

私たちの体の中でももちろんエクソソームが日々作られていますが、体内で作られたエクソソームは基本的に体の「現状維持」という働きと考えて良いでしょう。
エクソソームそのものがエイジングケアの強い効果をもっているわけでは無いため、何もせずに過ごしていてもどんどん体が若返っていくという事はありません。

一方で、若い細胞から作られたエクソソームには体の成長を促すための情報や、細胞の修復を行うための材料が豊富に含まれているため、この作用によって加齢やストレスなどによって損傷した細胞の修復や、テロメアといって「細胞の寿命」ともいわれている部分を延長させるなどの効果が期待できます。

点滴による効果と局所投与の効果の違いについて

エクソソームを点滴で投与した場合、注入された成分は血液にのって全身へと運ばれます。
そして体の中で特にダメージを受けている組織などにくっついて働く事が分かっており、加齢などによる損傷が大きい箇所を中心に修復していく事が期待できるとされています。
このように、点滴では「全身でちょっとずつ」効果を発揮するため、明確に実感できる変化が得られにくいのですが、特に血管の修復や代謝の改善、細胞の若返りといった作用によって、定期的な治療を行えば若々しい体を保ち続けるためにとても有効だと考えられます。

一方で水光注射などを用いて局所投与した場合は、注入を行った周囲の細胞に集中してエイジングケア効果が発揮されます。
例えば肌細胞の代謝を促す事で肌のハリを作るコラーゲンなどの成分を豊富に作れるようになるなど、注入した部位の状態を代謝が一番活発だった頃に戻していくという効果が期待できるでしょう。

エクソソーム療法は投与方法などによっても得られる効果に違いがありますので、どのような悩みのケアを行いたいのか、専門の医師とよく相談して最適な治療法を選択する事が大切です。

エクソソーム療法で副作用はある？

エクソソームは基本的に体の中でも作られている成分であり、細胞の活動を自然な形で促進するものですので副作用の心配はまず無いといえます。

癌細胞由来のエクソソームが周囲の細胞を癌化させるといったものはありますが、癌細胞の有無は検査などできちんと判断できるものですし、治療で用いられるエクソソームが癌細胞などを由来として作られる事はまず無いでしょう。

点滴を行う際に針を刺すため、内出血などの副作用が生じる可能性はありますが、通常の点滴などと同様数日でこうした副作用はおさまります。
体への負担を心配する事無く、手軽に受けやすいという点がエクソソーム療法の利点の一つといえるでしょう。

エクソソームと幹細胞培養上清液

エクソソーム点滴は、幹細胞培養上清液点滴と併記される事もあります。
これは、エクソソームがヒト幹細胞培養上清液から得られる成分であり、同一の薬剤を使用する治療であるためです。

幹細胞培養上清液とは、私たちの体の中で新しい細胞を作り出す「幹細胞」を培養する際に使用された液の上澄みの事。
幹細胞は「ヒト乳歯歯髄由来」や「臍帯血由来」など様々なものが用いられますが、幹細胞を培養する際には、その幹細胞由来のエクソソームや、細胞の活動によって作られた成長因子、サイトカインなどのタンパク質成分が培養液中に放出されます。

培養液中にはエクソソームやサイトカインだけではなく、培養された幹細胞そのものも含まれていますので、これを分離させて細胞が無い「上清液」のみとして取り出されたものが「幹細胞培養上清液」です。

そのため、厳密に言えばエクソソームそのものと幹細胞培養上清液は別物となりますが、エクソソームの濃度が一定以上で、エクソソームによる治療効果が期待できる幹細胞培養上清液が、多くの医院でエクソソーム点滴として使用されているものとなっています。

幹細胞培養上清液を更に遠心分離などで細かくわけていけば純粋にエクソソームを取り出す事も可能ですが、治療がより高額となる点や、細胞の活動を直接働きかけるサイトカインなどが除去されてしまうため、しっかりとエクソソームの濃度が高い事がわかる薬剤であれば、幹細胞培養上清液による治療で十分な効果が期待できるでしょう。

ＮＭＮ点滴との違い

細胞の代謝を活発にする点滴としてはＮＭＮ点滴も人気です。

ＮＭＮ点滴は、細胞が代謝を行うために必要な栄養素の元であるＮＭＮを点滴によって取り込む事で、体内の代謝を引き上げてエイジングケアやダイエットの補助などを行うものとして効果が期待されるものです。

エクソソームは「細胞に働きかける成分」であり、ＮＭＮは「細胞が活動するために必要な栄養素」を投与するものと考えると良いでしょう。

どちらも加齢によって体内にある成分の量や質が変化していき、老化を引き起こす要因である事は同じですので、体の状態に合わせて取り入れてみてください。

エクソソームによる治療効果を体感してみたい方は是非城本クリニックにご相談ください

エクソソーム療法は、使用する薬剤の性質によって大きく効果がかわるものです。
城本クリニックでは、エクソソームの元となる細胞がしっかりとエイジングケア効果を期待できるものであり、十分にエクソソームの濃度が高いと検証されているような薬剤を選別し、良好な結果が得られるように治療を行っております。
また、薬剤の保管についても-80度の冷凍庫などを専用で導入しており、高い効果が発揮される管理体制、治療体制を整えておりますので、エクソソームを用いた治療の効果をしっかりと実感したい方は、是非一度ご相談いただければ幸いです。

本コラムの監修医師