コラム
COLUMN目の下のたるみが出来る原因と症状別の最適なケア方法
目の下に出来てしまったたるみは顔を老けた印象や疲れた印象にみせてしまうため、改善したいとお悩みの方が多い症状です。
しかし、改善するために行う対策方法が間違っていると改善するどころか余計に目の下のたるみが悪化してしまう事もあるため、症状や原因について詳しくしり正しいケアを行う事が大切。
今回は目の下のたるみについて、原因別の正しい対策方法などを詳しく解説いたします。
目の下のたるみの原因は大きくわけて3つ
まずは目の下のたるみができる原因について確認しましょう。
たるみはどれか一つの原因ではなく、複合的な原因によって症状が強く出ていることも多いため、複数に当てはまる場合は対策方法についてもどちらともに対して行う必要があります。
目の下の筋力の低下
まぶたの周辺は「眼輪筋」という筋肉に覆われていて、この眼輪筋は主にまぶたを閉じる際に働く筋肉です。
筋力は加齢とともに徐々に衰えていくものですが、それは眼輪筋についても同様で年を重ねるごとに徐々に筋肉の代謝が低下していき、何もしなければ筋力が衰えます。
下まぶたの皮膚は眼輪筋を土台として支えられていますので、筋力が衰えて垂れれば当然のことながら全体が下垂してたるみとなります。
これが目の下のたるみの一つ目の原因です。
眼窩脂肪の突出
まぶたの皮膚は眼輪筋によって支えられていますが、もう一つ支えられているものがあり、それが眼窩脂肪という脂肪組織です。
眼窩脂肪は眼球の周辺を覆うように存在している脂肪で、眼球を支えるクッションのような働きをしています。
通常、眼窩脂肪は眼輪筋がピンと張った状態でいる事でおさまっているのですが、眼輪筋が衰えるとこの支えが弱くなるため、まぶたの前方に飛び出してきた状態となります。
すると目の下に「目袋」と呼ばれるような膨らみが生じたり、大きなたるみのような状態になって目立つ形となるのです。
また、眼窩脂肪は眼球の上部まで繋がっていて上瞼の膨らみの元でもあるため、下まぶたで眼窩脂肪が突出してくると逆に上瞼は脂肪が少なくなって凹みが目立つようになり、これも老けた印象になる要因の一つとなっています。
皮膚のタルミ
皮膚は表皮層(角質層)、真皮層、そして皮下組織という構造になっていますが、この内真皮層にはコラーゲンやエラスチンといった肌の弾力を作る成分が豊富に含まれており、これが肌のハリを作り出しています。
しかし真皮層内のコラーゲンやエラスチンは加齢によって徐々に減少していく成分のため、年を重ねていくとだんだんと肌がハリを失ってたるみが目立つ状態となっていきます。
下まぶたの皮膚が弛む事によって、目の下に小じわがよったり、目の下のタルミがクマのように目立つ状態となります。
目の下のたるみを引き起こす日常生活での原因
たるみが引きおこる構造上の原因は「筋肉の衰え」「眼窩脂肪の突出」「皮膚のたるみ」という3つの主な要素となりますが具体的にこうした変化を起こす原因は下記の通りです。
眼精疲労による血流の悪化
パソコンのディスプレイやスマートフォンの画面などの強い光を発するものを長時間見続けるなどして眼精疲労の状態になると、目の周りの血流が悪化します。
血流の悪化がおこると眼輪筋へ栄養などが十分にいきわたらなくなることで、筋力低下などを引き起こす要因に。
また、目の疲れや頭部全体や肩などの筋肉の緊張にも繋がるため、眼球周囲だけではなく顔全体の血流を悪化させてしまう原因でもあります。
まぶたを擦るような刺激
まぶたを擦るようなクセであったり、アイメイクを落とすために強くまぶたを擦ってしまうような行動を繰り返していると皮膚への刺激が負担となって細胞にダメージをあたえ、特に皮膚のタルミを引き起こす要因となります。
クレンジングの際や洗顔などでは強くこすったりしないようなケア方法を心がけましょう。
紫外線ダメージ
紫外線の中でも特にUV-Aという波長の長い紫外線は、真皮層まで届いてコラーゲンを
作り出す細胞などを損傷させ、肌の老化を引き起こします。
紫外線は夏場だけではなく秋冬といった時期でも地上に降り注いでいますので、年間を通して日焼け止めなどのUVケア商品を利用したり、大き目のサングラスを着用するなど紫外線対策を行うようにしましょう。
表情筋の弱体化
筋力は使わないと衰えていきやすいため、表情をあまり動かさないような状態が続くと筋力も低下しやすくなります。
特に下まぶたの筋肉は日常動作であまり使用しない表情筋でもありますので、表情筋のトレーニングを行うなど定期的に意識して動かすようにすると良いでしょう。
栄養の偏り
食事による栄養が偏っていると、細胞の代謝に十分な栄養が摂取できず皮膚や筋肉が衰えやすくなります。
特に細胞の主要な材料であるタンパク質は体内に蓄積しておくことも出来ないため、十分に摂取ができていないと不足しやすい栄養素の一つです。
お肉や大豆食品などタンパク質が豊富に含まれた食材を意識して食べるなど、しっかりと摂取するようにしましょう。
また、皮膚のコラーゲン組織などはビタミンCなども摂取が必要です。
ただし、タンパク質やビタミンCばかりを意識してその他の栄養が不足しても結局は代謝が正常に行えない要因となりますので、食事はあくまでも「バランスよく」を心がける事が大切です。
目の下のたるみを改善するためのケア方法
目の下のたるみを改善するためには、たるみの原因に応じて最適な方法を取り入れる事が大切です。
筋肉の衰えによる目の下のたるみを解消するためのケア
筋肉の衰えを改善するためには、眼輪筋のトレーニングと血流の促進などが有効です。
眼輪筋のトレーニング
下まぶたの眼輪筋をトレーニングする方法は、まず下まぶたを軽く中指などで抑えます。
その状態で下まぶたを持ち上げるように意識して動かし、5秒ほどキープして力を緩めるといった動作を3回程度繰り返しましょう。
目の閉じ方としては、眩しい時に目をすぼめるような形です。
下まぶたを抑える指にあまり力をいれる必要はなく、まぶたの動きが分かる程度の力加減で抑えていればOKです。
1日何回やれば良いというような決まりはありませんので、気が付いた時などやりやすいタイミングで取り入れてみてください。
目元を温めるケア
疲労などによって目元の血流が悪化していると眼輪筋の衰えに繋がりやすいので、定期的に目元を温めるようなケアを行いましょう。
ケア方法は蒸しタオルなどを作り、数分程度目元を温めるだけでも十分に効果的です。
リラックスしやすい寝る前の時間などでケアを行い、血流を促す事で目元の衰えを予防する事ができます。
目元のマッサージ
筋肉の緊張は血流を悪化させてしまうため、目元のマッサージを行う事も効果的です。
ただし、強く筋肉を押してしまうと組織を損傷させて悪化させてしまう可能性もありますので、軽くおさえる程度の力加減でゆっくりとマッサージを行うようにしましょう。
目の下の窪みに沿って、目の内側から外側に向けて軽くリンパを流すようなイメージでのケアなどがおすすめです。
マッサージの際は擦る刺激になるとよくないので、アイケア用のクリームを使用するなどして皮膚に負担をかけないように行うとよいでしょう。
眼窩脂肪の突出が原因の場合のケア
眼輪筋の衰えによって眼窩脂肪が突出してしまっている場合、眼輪筋を鍛えるなどのケアで一定の効果を期待する事はできますが、自力で解消するのはかなり難しい状態です。
眼窩脂肪の突出による目の下のたるみについては、美容整形での治療がおすすめです。
眼窩脂肪の除去手術(経結膜側脱脂)
まぶたの内側を小さく切開し、そこから眼窩脂肪を引っ張り出して切除を行う術式が経結膜側脱脂です。
脂肪を直接除去するため、眼窩脂肪の突出による目の下のたるみをすぐに解消する事が可能で、切開場所がまぶたの内側のため傷跡が目立つような事もありません。
ただし注意点として、眼窩脂肪は眼球の周囲を覆うように繋がって存在しているため、眼輪筋が弱ったままだと再度時間と共に除去していない脂肪が落ちてきて膨らみが出来てしまったり、脂肪をとりすぎると眼球の位置が下がって奥目になるケースや、上まぶたの凹みが目立ってしまうといったケースもあります。
また、手術直後は良かったとしても更に年を重ねると脂肪の減少などによって目の下に窪みが出来てしまうなどの可能性もあります。
目元の状態によって適切な治療は異なりますが、場合によっては眼輪筋を補強するような手術が必要となったり、次に紹介するハムラ法などでの治療を行う方が良い可能性もありますので、信頼できる医師とよく相談して最適な治療法を選択しましょう。
ハムラ法
ハムラ法は眼窩脂肪を切除するのではなく、場所を移動して加齢によって減少してしまうまぶたの下側の脂肪を補いつつ、眼窩脂肪の突出を改善するという治療法です。
加齢によって減少するのは肌のコラーゲンや筋肉だけではなく、脂肪や骨も同様であり、これが頬を痩せこけたような印象にしてしまう要因の一つでもあります。
ハムラ法ではこうした脂肪が不足してしまった箇所に眼窩脂肪を移動させて固定する事で、両方の悩みを一度に改善する事ができます。
ただし、眼窩脂肪の単純切除などと比べると医師の技術力が要求されるなどの面もありますので、しっかりとハムラ法の術式による治療技術を持った医師に相談するようにしましょう。
ハムラ法にはまぶたの表側から切開を行う方法と、経結膜側脱脂と同じようにまぶたの内側から切開を行う裏ハムラ法があります。
裏ハムラ法の方が傷跡が出来ないといったメリットはありますが、表ハムラ法であれば弛んだ余分な皮膚を切除して引き上げる事によって大幅に目の下のたるみを改善させる事もできますので、たるみの状態などに合せて治療法を選ぶようにしましょう。
皮膚のタルミのケア
皮膚のたるみについては、まず日常での紫外線ケアや保湿ケアといった対策を行う事が大切です。
また、筋肉の衰えをケアする際と同じように血流を促すようなケアを行うと、代謝を正常に保ってハリのある目元を維持しやすくなります。
ただし予防的なケアだけではどうしても加齢による肌のたるみを根本的に改善する事は難しいので、その場合ば美容治療でのケアも取り入れてみてください。
水光注射
細い注射針を皮下の浅い部分に差し込み、セットされた薬剤(美容成分)を注入する治療が水光注射です。
水光注射は薄いヒアルロン酸などを注入する事で直接肌にハリをもたらすのと同時に、注入された美容成分によって肌の代謝を高めるなど様々な効果を期待する事ができます。
特に目元のシワなどを効果的に改善する事が可能で、使用する薬剤によっては効果的なエイジングケアを行えます。
目の下のたるみを改善するために有効な成分としてはエクソソームが豊富に含まれたヒト幹細胞培養上清液などがあり、エクソソームによる細胞の若返りと、幹細胞培養上清液に含まれる各種サイトカインが細胞の代謝を活発にする事で、効率よくたるみやちりめんジワといったエイジングサインを解消します。
尚、同じような注入治療で目元に成長因子などを注入する手法がありますが、適切な注入を行わないとコラーゲンが過剰に作られて目元がボコボコしてしまうなどのトラブルに繋がる事もあり、治療を行う際にはしっかりと知識のある医師の元で治療を受けるようにしましょう。
HIFU
超音波を集約させる事によって生じさせた熱の刺激によって細胞の活動を促し、肌のハリを取り戻す治療法です。
SMAS層という表情筋の筋膜にも刺激を与える事ができるため、タルミのケアに高い効果を発揮します。
目の下のたるみは原因に応じて適切な対策を行う事が重要です
目の下のたるみについては、しっかりと原因を見定めて適切なケアを行う事で改善が行えます。
一方で、不適切なケアや治療を行ってしまうと余計に症状が悪化したり、将来的なトラブルに繋がるなどの可能性もある部位ですので、できれば様々な治療法に精通していて適切な治療法を選択できる医師の元で治療を受けるようにしましょう。
城本クリニックでは各種治療法に詳しい医師が丁寧なカウンセリングで最適な治療法のご案内を行っております。
カウンセリングは無料となっておりますので、まずは一度お気軽にご相談ください。
本コラムの監修医師
1978/04:富山医科薬科大学医学部医学科入学
1984/03:富山医科薬科大学医学部医学科卒業
1984/06:大阪市立大学医学部付属病院研修医
1986/04:大阪市立大学大学院医学研究科外科系外科学専攻
1990/03:大阪市立大学大学院医学研究科外科系外科学修了
1990/04:田辺中央病院医長
1991/04:城本クリニック
医学博士 / 日本美容外科学会専門医
第105回日本美容外科学会 会長
城本クリニック総院長 森上和樹