コラム
COLUMN瞼の脂肪が多いタイプはダイエットで痩せられる? 薄くなれば自然な二重も可能?
二重まぶたになりにくいタイプの一つに、瞼に脂肪が多いことからなかなか二重の折り目がつかず、一重または奥二重になってしまうというケースがあります。
瞼の脂肪が多いと、二重ノリやテープなどによる二重メイクも難しく、美容整形でも埋没法では理想的な二重のラインを作りにくくなるため、切開しての脱脂などが組み合わされる事も多くなるように、まぶたの脂肪が多いと綺麗な二重のラインを出すという事が難しくなります。
多すぎる脂肪を減らすためとしてマッサージを行ったり温めたり、ダイエットをしたりという対策が紹介される事も多いですが、これらの対策が実際に効果があるのかどうかなど詳しく解説いたします。
上瞼の脂肪が多いというのはどのような状態?
上瞼の脂肪が多いというと、なんとなく瞼の中に脂肪が沢山あるという状態を想像してしまいますが、実は瞼の厚みを決める脂肪は3種類存在し、種類によっては瞼の中というよりも上の方に多く存在している脂肪なども影響しています。
上瞼の脂肪は、「皮下脂肪」「ROOF」「眼窩脂肪」という3つの種類に分けられます。
皮下脂肪
瞼には目を閉じるための働きを行う「眼輪筋」という筋肉がありますが、この眼輪筋より皮膚側にある脂肪の層が皮下脂肪です。
皮下脂肪は瞼の皮膚の厚みに大きく関係しており、この層が厚いと二重のラインが出にくくなります。
ROOF(隔膜前脂肪)
眼輪筋より内側にある脂肪で、こちらもまぶたの厚みに大きく影響する脂肪の層です。ROOFの脂肪が多いとやはり瞼が厚く腫れぼったい印象になり、二重のラインが綺麗に出にくくなります。
切開術による二重整形の場合はこの部分の脂肪を除去する事で瞼の厚みを減らしながら、二重のラインを作る事が多くなります。
眼窩脂肪
眼球を保護する役割の脂肪で、眼球の上側あたりにあります。
眼窩脂肪の量が多いと瞼の方に突出してくる事があり、これによって瞼に膨らみが出来て、たるみを形成する事があります。
まぶたの厚みというよりは、上瞼(特に眉尻側)の膨らみを形成するようなイメージになります。
マッサージなどでケアできる可能性があるのは皮下脂肪
まぶたの脂肪を減らすための方法としてまぶたをマッサージする方法がよく紹介されますが、これによってケアできる可能性があるのは皮下脂肪です。
皮下脂肪は眼輪筋より表面側にあるため、マッサージによって血流を促し、代謝を向上する事でケア出来る可能性はあります。
ただ、マッサージで脂肪が直接減らせるかというとそれはなかなか難しく、基本的にマッサージで行えるのはむくみの軽減などによってまぶたの厚みを軽減する程度といえるでしょう。
ダイエットで痩せれば皮下脂肪やROOFは減る可能性も
皮下脂肪は体中のどこの部位でも同じように、ダイエットによって減らす事が可能です。
まぶたの脂肪だけを集中的に減少させるというのは困難ですが、食事制限や運動などによって全身の脂肪を減少させていけば、まぶたの皮下脂肪やROOFも減少してまぶたの厚みが解消される可能性はあります。
また、ダイエットをしなくても加齢によって脂肪は減少するため、年を取るとまぶたの皮下脂肪が減少して自然と二重まぶたのラインが出てくるというケースもあります。
眼窩脂肪はダイエットなどで解消は難しい
一方で、眼窩脂肪は頑張ってダイエットしても解消が難しい脂肪です。
眼窩脂肪の役割は眼球の保護であり、皮下脂肪のように余ったエネルギーが貯蔵されているわけではありませんので、運動や食事制限で減少させる事が難しいのです。
眼窩脂肪によるまぶたの膨らみを解消するためには眼輪筋を鍛えて眼窩脂肪が前面に突出してくるのを防ぐか、切開して眼窩脂肪を除去する脱脂術を行うかという選択になります。
まぶたの脂肪を減らす手術
まぶたの脂肪を減らして厚みを減少させる美容整形術としては、脱脂術と二重まぶたの切開法の2通りが挙げられます。
まぶたの脱脂術
脱脂術は、簡単に言えばまぶたを小さく切開してそこから眼窩脂肪を引っ張り出して切除し、縫合するという術式です。
マイクロ脱脂などと呼ばれるように、切開範囲は小さくても眼窩脂肪をしっかりと引っ張り出して除去する事が可能です。
切開範囲が小さいため、ダウンタイムも短く傷跡が目立つ事もほぼありません。
眼窩脂肪が多く、上瞼に膨らみがあるような状態の方に適した術式ですが、脱脂術では皮下脂肪やROOFといったまぶたの厚みを作る脂肪を減少させる事が出来ないため、まぶたの厚みがあるタイプの方が脱脂術のみで二重まぶたになったり、脱脂術によって二重のラインが広がったりする事はあまりないでしょう。
眉の下あたりからの膨らみが目立つ方や、加齢によって上瞼に膨らみやたるみが目立つようになってきた方が、目元をスッキリさせるために行う事が多い術式です。
切開法による二重整形
切開法は、二重まぶたのライン作りたい位置に沿って切開を行い、まぶたの内部にある脂肪や筋肉を調整する事で理想的な二重まぶたを目指す美容整形術です。
切開法ではまぶたの組織を開いて直接施術を行うため、まぶたの厚みを作り出しているROOFや眼窩脂肪をしっかりと除去して減少させる事が可能です。
また、脂肪の除去だけではなく長すぎる筋肉を短くしたりといった調整も広く可能なことから、埋没法による二重整形術と比較して、理想とする二重幅を高い精度で実現する事が可能になります。
尚、切開術の中にもなるべく切開範囲を小さくする方法などがありますが、この場合は切開範囲が少ないので術後のダウンタイムは軽くなるものの、ROOFなどの調整が十分に行えなくなってしまう可能性がある事から、術後の仕上がりが不十分になってしまう事もあります。
実際にどのような手術を行うかは、理想とする二重のラインや術後の回復にかけられる時間などをしっかりと医師に伝え、最適な術式を選ぶようにしましょう。
少量の皮下脂肪やROOFの脂肪なら脂肪溶解注射による対応も
脂肪溶解注射とは、その名前の通り脂肪細胞を溶かして破壊する薬剤を注射する術式の事で、破壊した脂肪は老廃物として体内に取り込まれ、最終的には排出されていく事で脂肪の量を局所的に減少させるものです。
注入する薬剤の種類により「メソセラピー」や「BNLS」などと呼ばれる事もあります。
脂肪溶解注射で大量の脂肪を減少させる事は困難ですが、少量の脂肪であれば十分に効果を発揮する事が出来るため、皮下脂肪やROOFなどの脂肪がまぶたを厚くしている原因となっている場合は、これを解消に導く事が期待できます。
ただ、まぶたの厚みは脂肪の量だけではなく皮膚そのものの厚みなどに原因がある場合もありますので、脂肪溶解注射によって良い効果が期待できるかどうかは、一度専門の医師による診断をうけて確認しましょう。
脂肪細胞を破壊する注射を行うため内出血などのリスクや、実際にどの程度脂肪が減らせるかという確証が無いというデメリットはありますが、ダウンタイムなどをあまり気にしなくてもよく、手軽に受けやすいという点がメリットの施術です。
適切な治療を受けるためにはクリニック選びが大切
まぶたの脂肪を減らして、スッキリとした目元を目指したい。
まぶたの厚みを解消して綺麗な二重まぶたを目指したい。
そんな想いをしっかりと叶えるためには、クリニックの選び方が大切。特に、カウンセリングや施術に対して医師が十分な時間を設けて丁寧に行ってくれるかどうかという点は大きなポイントです。
まぶたの悩みを解決するためにはまずはまぶたの脂肪の状態や皮膚の状態がどうなっているのか、理想とする二重まぶたを手に入れるためにはどのような手術を行う必要があるのかといった専門的な診断が必要になりますが、クリニックによってはそもそも最初のカウンセリングうが医療資格を持たないカウンセラーによって行われ、医療的な知見ではなく、金銭面の関係だけで手術内容が決まってしまうというようなケースもあったり、手術自体も多くの件数をこなすために流れ作業のように短時間で行われるケースがあるようです。
城本クリニックでは、最初のカウンセリングから手術までをしっかり専門の医師が担当し、ベストな手術を行えるように手術にかける時間も十分に確保しております。
まずは自分自身のまぶたの状態を正確に知りたいという方や、色々なクリニックで必要な治療を聞いてみたいというような方も歓迎しておりますので、是非一度お気軽にご相談ください。
本コラムの監修医師
1978/04:富山医科薬科大学医学部医学科入学
1984/03:富山医科薬科大学医学部医学科卒業
1984/06:大阪市立大学医学部付属病院研修医
1986/04:大阪市立大学大学院医学研究科外科系外科学専攻
1990/03:大阪市立大学大学院医学研究科外科系外科学修了
1990/04:田辺中央病院医長
1991/04:城本クリニック
医学博士 / 日本美容外科学会専門医
第105回日本美容外科学会 会長
城本クリニック総院長 森上和樹