コラム

COLUMN切らないたるみ治療のサーマクールとハイフ(HIFU)の違いを解説

加齢によって気になりやすい肌悩みの一つ、シワやたるみ。
若い頃はハリ艶があって美しい肌も、30代、40代と年を重ねる毎に肌のハリが低下していきシワやたるみが目立つようになり、年齢を感じさせるだけではなくいつも疲れたような印象を作る原因になってしまいます。
そんなシワやたるみといった肌悩みを切らずに治療する方法として人気なのがサーマクールやハイフ治療ですが、両方とも機械による「照射」で行う治療のため、どのような違いがあるのか気になるという方も多くいらっしゃいます。
今回は切らないリフトアップ治療のサーマクールとハイフ治療について、それぞれの特徴や使い分け方などをご紹介します。

サーマクールとハイフはどちらも「熱刺激」によってリフトアップ効果を発揮

サーマクールとハイフは、実はどちらも熱の刺激を肌に与えるという治療法で、熱刺激によって肌の細胞が活性化してリフトアップ効果を得るという点では共通しています。
それでは何が違うのかというと、それぞれ照射するものが異なっており、サーマクールは高周波(RF)と呼ばれる光の一種を照射し、ハイフは超音波を照射します。

高周波照射によるサーマクールの仕組み

サーマクールはアメリカにあるThermage社という会社が製造および販売しているマシンで、高周波(RF)とよばれる光の一種を照射します。
光といっても私たちが普段目にして眩しいと感じるような光ではなく、電子レンジに使用されるマイクロ波などに近い性質のもので、肌に照射するとジンワリと熱を発する特徴の光です。
光は「波長」と呼ばれる光の波の長さの違いで様々な性質があり、波長が短いと紫外線、長いと赤外線やマイクロ波、電波などの性質になりますが、サーマクールでは6.78MHzという波長を利用しており、これはラジオや無線LANなどにも利用されている波長のため、ラジオ波とよばれる事もあります。

波長が短い光は肌表面に吸収されやすく、波長が長いと吸収されずに奥まで届くという性質になるため、波長の大きな光を使用しているサーマクールでは、肌の奥まで光のエネルギーを届ける事ができます。
これにより、皮膚の奥3㎜程の箇所に熱エネルギーを集中させる事が、サーマクールの原理となっています。

超音波で熱を作るハイフ

一方でハイフは「高密度焦点式超音波」と呼ばれるように、超音波の振動によって熱を発生させます。
音は振動によって作られているのですが、この振動の幅が多くなると高音になっていき、人の耳で聞き取れないくらいの高音(高速振動)になると超音波と呼ばれる音になります。
超音波を一か所から肌に当てるだけでは肌が振動して終わりですが、複数の箇所から一点に向けて超音波を照射し、振動が重なる箇所(焦点)で振動のエネルギーを最大化させる事で高い熱刺激を作り出す事ができます。
この点状に作られる熱によって、皮下に刺激を加えていく方法がハイフの原理となります。

熱の作り方による違い

サーマクールのように高周波で熱刺激を加える場合、どうしても肌の深い場所だけではなく、照射している箇所の全体に熱が加わる状態となります。
そのため、照射のパワーをあげて行くと肌表面へのダメージなども出やすくなってくる状態となり、ある程度のパワーで抑えて肌トラブルが出ないように照射を行う必要があります。

一方でハイフのように超音波を使用した方法では、振動が重なる箇所でしか高温が作られないため、肌表面への熱刺激を避けて深い場所にのみ集中して熱を与える事が可能となります。
また、光と異なり振動は奥の方に届きやすいため、サーマクールなどでは熱を与えるのが難しいような深い部分にまで熱を届ける事ができます。
具体的には、サーマクールでは皮下3㎜程度の場所をメインに熱を加えるのに対し、ハイフでは最大で4.5㎜程度の位置にある、SMAS筋膜という部分にまで熱を届ける事ができます。

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効果の違い

サーマクールとハイフの違いとして最も気になるのはその効果の違いではないでしょうか。
それぞれに期待できる効果の違いは下記の通りです。

肌全体の引き締め効果が高いサーマクール

高周波によって肌全体に熱刺激を加えていくサーマクールは、真皮層内におけるコラーゲン生成の促進と同時に、肌表面(角質層)の代謝アップ(ターンオーバーの促進)が行われるため、肌全体を引き締めてハリ艶を作り出していく事ができます。
また、照射によって蓄積された熱が肌の深くに移動していく事で皮下脂肪の層にも伝わり、脂肪の減少効果も期待できます。

一方で筋肉の緩みなどによる大きなタルミについてはケアが難しく、あくまでも肌の引き締めに高い効果を発揮する治療というイメージになります。

筋膜を刺激して引き上げる効果のハイフ

ハイフ治療が得意とするのは特に肌の深い場所への熱刺激で、SMAS層と呼ばれる筋膜部分をケアする事ができます。
加齢によって生じるタルミは肌質の変化だけではなく、筋肉の衰えや緩みなどによって土台からたるんでしまうという面もありますので、この筋膜部分をハイフによって引き締める事ができると、しっかりと肌全体を持ち上げてリフトアップ効果を得る事ができます。

ただし、ハイフの照射によって熱刺激が加わる範囲は点状の小さい範囲となるため、サーマクールのように肌全体を引き締めるというケアには不向きです。
たるみを土台からケアしてしっかり引き上げたい時はハイフ治療、肌を引き締めてハリ艶を手に入れたい時はサーマクールというように使い分けると良いでしょう。

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治療効果の持続期間やダウンタイム

サーマクールとハイフはどちらも熱刺激によって細胞に軽度の損傷を与え、その損傷が回復する力を利用してケアをするという内容ですので、術後のダウンタイム期間や効果の持続期間についてはほとんど一緒です。
照射から1~3か月程度かけて徐々に効果が高まり、その後徐々に元の状態に戻っていき半年から1年程で元の状態に戻る形となります。

どちらの治療についても特にダウンタイムとして日常生活に支障がでるような事はなく、当日と翌日あたりまでは入浴などの血流が促進される行為を避ける必要がありますが、メイクなども当日から行う事が可能です。

違いがあるとすれば、サーマクールは肌表面にも熱が伝わりやすいため、照射後の赤みや腫れなどが出やすいという点ですが、冷却や保湿といったケアをしっかり行えばすぐにおさまります。

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施術の痛みの違い

サーマクールは肌表面から深部にかけて全体的に強いエネルギーを照射する形になるため、照射系の治療の中ではやや痛みが強い方と言われています。
また、照射されたエネルギーは骨には吸収されず、その分の熱エネルギーは近くの皮膚細胞に集まってしまうため、骨の近くなどの照射ではより痛みが強くでやすいです。

ハイフ治療でも照射による痛みはありますが、照射によるエネルギーは小さい点状になるため、それほど強い痛みは感じにくいといえます。
使用される機械にもよりますが、全く痛みを感じずに治療を受けられたという方も多くいらっしゃる治療法です。

治療後の痛みについても熱刺激を受ける範囲が狭いため、ハイフ治療の方が少ない痛みで過ごせるといえます。

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照射リスクの違い

サーマクールのような高周波や光を使用した治療で一番多いトラブルは、肌表面の火傷です。
光のエネルギーを肌表面から肌の奥に向けて届けようと照射するため、肌表面が最も熱による刺激を受けやすく、無理に照射の強さを引き上げると火傷状態になってしまうリスクが高まります。

一方でハイフ治療の場合、肌表面には熱エネルギーが加わらないので、表面の火傷というリスクはあまりありません。しかし、目に見えない「肌の深部」にエネルギーを集中させているため、適切な照射が出来ていないと肌の深い部分での火傷や、神経の損傷によって感覚が鈍くなるなどのトラブルが生じる事があります。
深い所に熱刺激が加わるため、重要な神経や血管があるような場所では照射する事ができないなど、治療におけるリスクはサーマクールなどの方法よりも高くなります。
ハイフ治療を受ける場合は、リスクを適切に把握して安全に治療が行える知見がある医師や看護師の施術が受けられるクリニックを選ぶようにしましょう。

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悩みや目的に合せて最適な治療方を選ぶ事が大切

サーマクールやハイフは、それぞれ治療によって得られる効果が異なります。
どちらも肌のリフトアップなどを目的として行われるため、つい「どちらの方が効果が高いのか」と考えてしまいがちですが、一概にどちらが良いというものではなく、肌悩みの原因に合せて最適な治療法を選択する事が、最も良い結果へと繋がります。

リフトアップ治療はこの他にも糸リフトやヒアルロン酸などの注入療法、フェイスリフト手術など様々な方法があり、それぞれ効果的なお悩みの種類も異なります。
城本クリニックでは、幅広い治療に精通したドクターがしっかりと診察・カウンセリングを行い、患者様一人ひとりに合せた最適な治療法をご案内しておりますので、どんな治療が適しているのか知りたいという方もまずはお気軽にお問い合わせください。

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本コラムの監修医師

1978/04:富山医科薬科大学医学部医学科入学
1984/03:富山医科薬科大学医学部医学科卒業
1984/06:大阪市立大学医学部付属病院研修医
1986/04:大阪市立大学大学院医学研究科外科系外科学専攻
1990/03:大阪市立大学大学院医学研究科外科系外科学修了
1990/04:田辺中央病院医長
1991/04:城本クリニック

医学博士 / 日本美容外科学会専門医
第105回日本美容外科学会 会長
城本クリニック総院長 森上和樹

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