コラム

COLUMNハイフ治療のリフトアップ効果が出る仕組みとその他の効果についてを解説

シワやたるみといったエイジングサインのお悩みを解消する治療法として人気のハイフ。美容クリニックを中心に導入しているところも多く、様々なところで特集などが組まれることも増えてきているため知っている方が多い美容治療の一つになってきたといえるのではないでしょうか。
一方で、ハイフ治療を行うとなぜリフトアップ効果を得る事が出来るのかという点については、なんとなく知られているだけで、しっかりと理解されていない部分も多いかと思います。
リフトアップ効果が得られる仕組みを詳しく知っておく事は、より適切な治療を選ぶためのポイントになりますので、是非知っておいてください。

ハイフ治療のリフトアップ効果が出るまでの流れ

ハイフ治療でリフトアップ効果が出て、そして効果が無くなるまでには大まかに下記のような流れがあります。

  • ハイフ(HIFU)で皮下に熱エネルギーを照射
  • 熱によってたんぱく質が変性(縮み)し緩んだ組織が縮小しリフトアップ
  • 損傷個所の修復のため周囲の細胞における代謝が活性化
  • 新しい組織が作られ肌のタイトニングによりリフトアップ効果が出る
  • 細胞の損傷が回復し代謝が元の状態に戻る

また、上記の流れと同時に下記の変化も発生します。

  • 脂肪細胞が熱によって破壊され、破壊された脂肪が異物として体外に排出される
  • 表皮細胞の代謝が促され、角質の状態が整う

それぞれ解説していきます。

1.ハイフ(HIFU)で皮下に熱エネルギーを照射

まず最初はハイフの照射です。
ハイフ(HIFU)はHigh-Intensity Focused Ultrasoundの頭文字をとった言葉で、日本語に直訳すると「高密度焦点式超音波」になります。

超音波というのは一般的には音の一種として知られていますが、非常に細かい振動状態によって人の耳に聞き取れないような高音が出る事を指します。
物体は高速で振動すると熱を発生する性質をもちますが、超音波によって皮下組織を高速で振動させる事で熱を作り出すというのがハイフの手法。
1方向からの振動で熱を作ろうとすると振動している箇所全体が熱を持ってしまうため、これを肌に照射したら肌表面から深い場所まで均一に熱が加わる状態となってしまいますが、複数個所からこの振動を一か所に集める事で、肌表面ではほとんど熱を発生させず、狙った箇所にだけ熱を与えるという事が可能になっています。

2.熱によってたんぱく質が変性(縮み)し緩んだ組織が縮小しリフトアップ

ハイフ治療で熱を加える箇所として特徴的な部分が「SMAS」と呼ばれる箇所だと紹介しているクリニックも多いのですが、このSMASとは表情筋の筋膜部分です。

表情筋は笑ったり怒ったりという表情を作り出す筋肉である事はもちろんですが、特に表情を作っていなくても顔の皮膚を支えるという役割を担っています。
そして、この表情筋の筋膜であるSMASはコラーゲンやエラスチンといった繊維組織で出来ているのですが、人は年を重ねると体内のコラーゲンやエラスチンが減少していくため、筋膜が緩んだり伸びたりして皮膚をしっかりと支えきれない状態になります。これがタルミの要因です。

ハイフによってSMAS層に熱を加えると、その部分の温度は60℃から80℃になるとされていますが、このように高温が加わる事でたんぱく質は縮んで固まるという変化を起こします。
たんぱく質が縮んで固まるというのは、お肉を焼いた時の状態をイメージするとわかりやすいでしょう。普段私たちが食事で目にしている赤みのお肉は筋肉部分ですが、焼く事でギュッと縮む事が分かると思います。これと同じように、緩んだSMAS層を熱によって収縮させる事で、高い引き締め効果とリフトアップ効果をすぐに実感する事ができます。

3.損傷個所の修復のため周囲の細胞における代謝が活性化

ハイフによって得られるリフトアップ効果は、細胞を熱によって収縮させて得られるものが全てではありません。
熱によって細胞が収縮するという事は、一方でその部分の細胞は熱によって損傷している状態になるという事。人の体には「健康的な状態を保ち続ける」ために、損傷を受けた箇所を優先的に治していくという機能が備わっています。

熱によって収縮(損傷)した箇所の細胞は、体にとって「不健康なもの」であるため、マクロファージなどによって取り込まれて徐々に排除されていきます。
一方で、損傷した箇所の細胞を元の状態に戻す必要があるため、周囲にある幹細胞などが活発に働いて新しい細胞や組織を作り出すという働きが生じます。

この働きによって、SMAS部分や真皮では新しい細胞やコラーゲンやエラスチンといった成分が豊富に作られ、健康な状態の体に戻っていきます。

4.新しい組織が作られ肌のタイトニングによりリフトアップ効果が出る

シワやタルミといったエイジングトラブルは、加齢によって細胞の代謝が低下してなかなか新しい組織が作られない事が原因です。
ハイフの照射によって損傷した箇所が回復していく事で、十分に新しい組織が作られるため加齢によるトラブルが出る前の肌の状態に戻していく事ができます。
SMAS部分においては新しく作られた筋膜が皮膚を支えるようになり、真皮層部分ではコラーゲンやエラスチンといった弾力成分が豊富になる事でハリのある肌になりますので、これらの変化が組み合わさって高いリフトアップ効果が実現します。

このように、ハイフの照射によるリフトアップ効果は損傷した細胞が回復するまでの時間が必要になるため、効果が出てきたと感じるまでに2週間程度、効果のピークまでに1~3カ月程度が必要となります。

5.細胞の損傷が回復し代謝が元の状態に戻る

細胞の代謝が向上した状態はいつまでも続くわけではなく、熱による損傷が回復したらそのあとは積極的に新しい組織を作る必要はなくなります。
そして、そのあとは通常の状態=加齢によるタルミが進行していく肌の状態に戻っていきます。
そのため、ハイフ治療後にリフトアップ効果がピークを迎えた後は、徐々に肌が治療を受ける前の状態に戻っていき、大体半年から1年程度の期間で元の状態に戻るという事になります。

ハイフの治療によるリフトアップ効果を最大限高く持続させたい場合、リフトアップ効果がピークの状態=肌の再生が完了した状態で次の照射を行う事で、リフトアップ効果を高く保つ事が可能になります。
一方で、ピークを迎える前に次の照射をしてしまうと細胞のダメージが大きくなりすぎてしまう事がありますし、効果が落ちたと感じてから照射をするとその効果を実感するまでに再度1~3カ月程度かかる事になるため、医師と相談しながら最適な間隔で治療を繰り返すようにすると良いでしょう。

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脂肪細胞が熱によって破壊され、破壊された脂肪が異物として体外に排出される

ハイフの効果は熱損傷からの回復によって得られるリフトアップ効果だけではありません。
期待できるもう一つの効果が脂肪細胞の減少で、皮下に高い熱エネルギーを加える事で、皮下脂肪の細胞を破壊する事が可能です。

脂肪細胞は成人してからは一定の数から増減しないと言われており、脂肪吸引の手術では脂肪細胞を直接カニューレで吸い出して除去するわけですが、ハイフの熱エネルギーでも脂肪細胞を破壊して減らす事が可能です。
熱によって破壊された脂肪細胞は、体から異物として認識されて体外に排出される形となりますので、ハイフの照射によって脂肪細胞を減らして痩身。そして太りにくい体質にする事が可能となります。

タルミの原因は筋肉の緩みだけではなく、脂肪が増える事で重量が重くなって支えきれなくなるという面もありますので、脂肪細胞を減少させる事でスッキリとさせてリフトアップ効果を得る事ができます。

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表皮細胞の代謝が促され、角質の状態が整う

化粧品などで「幹細胞培養液エキス」というものを聞いたことがあるでしょうか。
幹細胞培養液エキスとは、特定の幹細胞を培養する際に用いた培養液の事で、細胞が培養される際に放出する様々な「サイトカイン」などを多く含んでいる事からスキンケアなどに用いられています。

サイトカインとは簡単に言えば細胞の代謝を促すメッセージのようなもので、肌の細胞にサイトカインが働く事で新しい細胞が積極的に作られるようになります。

ハイフ治療の場合、表皮に直接熱を加える事はありませんが、真皮層への施術などによって細胞の代謝が活発になると、その代謝に付随して多くのサイトカインなども放出されるようになります。
この影響により表皮の代謝も活性化されるため、毛穴の開きなど表皮のターンオーバーが乱れたり低下したりする事で生じる肌トラブルも自然とケアされる事が期待できます。

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治療によって得られる効果は使用する機器によっても異なる

以上がハイフ治療によってリフトアップしていく仕組みですが、実は治療によって得られる効果は使用する機器などによっても異なります。
それというのも、ハイフの治療機器は多くのメーカーがそれぞれに様々な特性をもって開発を行っており、施術の速度や照射する深度、治療を行う際の痛みの感じ方などに大きな違いがあり、これが同時に治療によって得られる効果にも差を作っているためです。

ハイフ治療の代表的なマシンといえば「ウルセラ」ですが、ウルセラは強いエネルギーで照射を行う事で確実に高いリフトアップ効果が得られる一方で、比較的強い痛みを感じやすく治療を受けるストレスが大きいという特徴がありました。 その後、ダブロやウルトラフォーマーなど様々なハイフ治療機器が開発されていますが、こうした機器では痛みを抑えてかつ素早い治療が可能になる一方で、どうしても直後の引きあがり効果を感じにくかったり、効果を実感できる期間が短い(熱損傷からの回復がすぐに終わってしまう)というような性質になっているものもあります。

このように、ハイフ治療を受ける際のマシンによってもその効果の出方には差がありますので、大切なのはご自身の目的に最適な治療を選ぶ事です。
城本クリニックでは、無資格のカウンセラーがおらず、無料相談から治療までしっかりと医療知識の豊富な医師や看護師が対応しておりますので、患者様一人ひとりのお悩みに対して最適な治療を適切にご案内する事ができます。
肌質や目的に合せて最適な治療を行う事で、満足感が高くストレスの少ない治療の提供を行っておりますので、ハイフ治療に興味をお持ちの方は是非一度ご相談ください。

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本コラムの監修医師

1978/04:富山医科薬科大学医学部医学科入学
1984/03:富山医科薬科大学医学部医学科卒業
1984/06:大阪市立大学医学部付属病院研修医
1986/04:大阪市立大学大学院医学研究科外科系外科学専攻
1990/03:大阪市立大学大学院医学研究科外科系外科学修了
1990/04:田辺中央病院医長
1991/04:城本クリニック

医学博士 / 日本美容外科学会専門医
第105回日本美容外科学会 会長
城本クリニック総院長 森上和樹

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