コラム
COLUMNほうれい線は脂肪注入で解消できる?デメリットやリスク副作用は?
年齢とともに気になる肌悩みのひとつがほうれい線です。
ほうれい線は年を重ねて肌がたるむ事などにより深くなってしまい、顔を老けてみせてしまうエイジングサインとして、治療を行いたいという方が多いお悩みです。
そんなほうれい線を解消するための美容治療として、脂肪注入による治療がありますが、治療の効果とともにデメリットや副作用などのリスクが気になるという方も多いようです。
今回は、脂肪注入によるほうれい線治療の詳細について、治療のメリットや効果だけではなく副作用やリスクといったデメリットまで詳しく解説いたします。
ほうれい線とは
ほうれい線は鼻唇溝(びしんこう)とも呼ばれ、鼻の横から口元に向かって「ハ」の字に伸びる溝の事です。
よく「シワ」のひとつに挙げられますが、ほうれい線は口回りと頬の、支えている表情筋が異なる部分の境目にできる溝であり、皮膚のハリが失われる事などによって生じるシワとは性質が異なります。
ただし、若い頃にはあまり目立たなかったほうれい線が年齢とともに目立ってくる理由には、加齢により肌内部のコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸といったハリを作り出す成分が減少して肌に緩みやたるみが生じ、これがほうれい線の影を濃くするといったものになりますので、シワと同じような肌質の変化で症状が悪化するエイジングサインであるという事ができます。
尚、ほうれい線が目立つようになる原因は加齢によるものだけではなく、骨格や表情筋の使い方のクセなどにも影響されます。
例えば鼻の横部分にある頬の骨が薄く、窪みがあるような骨格の方の場合は小鼻の横あたりが凹んだような状態になるため、年齢によらずほうれい線が目立ちやすくなるなど遺伝的な要素によっても目立ってしまうのです。
脂肪注入とは
ほうれい線の解消を目的として行われる治療のひとつに、脂肪注入による美容治療があります。
脂肪注入とはその言葉の通りですが、皮下に脂肪細胞を注入する事で内部から皮膚を持ち上げるように修正を行い、ほうれい線のようなエイジングサインなどを解消する治療法の事をさします。
注入する脂肪は基本的に脂肪注入を受ける本人から採取した脂肪を利用する形となり、他の人から採取した脂肪細胞を用いる事はできません。
これは拒否反応などを防ぐためで、本人から採取した脂肪細胞を利用する事で体が拒否反応を起こすような事もなく安全に治療を行う事ができます。
脂肪注入によるほうれい線治療とは
ほうれい線の悩みは脂肪注入によって改善する事ができます。
具体的な方法としては、お腹などから採取した脂肪細胞を精製した後、ほうれい線の窪みが気になる場所や加齢などによってボリュームが減少し、肌のたるみの原因となっている部分に脂肪細胞を注入する事で、肌を内側から物理的に持ち上げてほうれい線を薄くします。
脂肪の採取や注入は細い管のカニューレや注射等で行われるため、治療部位に大きな傷跡が残るような事はありません。
脂肪注入のメリット
脂肪注入治療の大きなメリットは、脂肪細胞が「生着」すればその効果が永続的であるという点です。
皮下に注入を行って内側から持ち上げる治療としては、脂肪注入以外にも「ヒアルロン酸注入」や「ベビーコラーゲン注入」など様々な方法がありますが、これらの方法は注入したフィラー剤(薬剤)が半年から長くても2年程度で体内に吸収されていくため、長期的にみれば元の状態に戻ってしまう一時的な治療となります。
一方で、脂肪注入による方法では注入した脂肪細胞が周囲の毛細血管とくっつき、血液から栄養を受け取れる状態となればそのまま注入部位にとどまり続ける事となるため、一時的ではなく永続的な効果を期待する事ができます。
注入した脂肪細胞の生着率は注入の方法などにもよりますが、適量の注入であれば多くを生着させる事も可能で、治療を繰り返す必要が無い点は大きなメリットといえるでしょう。
自然な柔らかさ、仕上がり
もう一つ、メリットとして挙げられるものが仕上がりが自然である点です。
脂肪注入は治療を受ける本人から採取した脂肪細胞を使用するため、仕上がりの感触などが非常に自然であるといえます。
治療部位を触られても特に違和感が生じるような事が無いため、治療を受けた事が周囲にバレたくないという方におすすめであるといえるでしょう。
痩せたい部位の脂肪吸引も同時にできる
脂肪注入のメリットとは異なりますが、注入に必要な脂肪を採取するために「脂肪吸引」が同時に行われるため、場合によってはお腹や二の腕、太ももなど脂肪が多すぎて減らしたいと気になっている部分の脂肪吸引も同時に行えるという点もメリットとして挙げられます。
痩せたい部分の脂肪を減らしつつ、エイジングサインも同時にケアできると考えれば一度で理想の姿に大きく近づける事ができる非常に便利な治療です。
脂肪注入によるほうれい線治療のデメリット
自然かつ安全で、永続性もある脂肪注入によるほうれい線治療ですが、他の治療法と比較してデメリットなども存在します。
主なデメリットや副作用リスクなどは以下の通りです。
術後のダウンタイムがやや大変
脂肪注入を行う場合、注入する部分は注射で脂肪を注入するだけなのでヒアルロン酸注入などと同様、ほとんどダウンタイムはないのですが、脂肪の採取を行うための脂肪吸引でも体に負担がかかるため、こちらのダウンタイムを考える必要があります。
脂肪吸引は美容治療の中でもダウンタイムが長く、吸引部位にあざや内出血などが出来やすい事や、治療後はしっかりと圧迫を行う必要があったり、入浴などの行為もしばらく制限があるなど、術後のケアがやや大変となる治療になります。
ただし、ほうれい線治療などの場合はそこまで多くの脂肪を採取する必要が無いので術後の痛みが強く出たり、生活に宣言がかかるなど日常に影響が出るような事はまずありません。
実際のダウンタイムの影響は脂肪を採取する部位やどの程度脂肪を取るかなどによっても変わりますので、医師とよく相談して最適な治療法を選択しましょう。
注入した脂肪の生着率は100%ではない
注入した脂肪細胞は「生着」すればその効果が永続的となりますが、注入した細胞の一定数はどうしても生着する事ができず、この場合は「異物」として体の免疫反応によって認識され、一定の時間をかけて体外に排出されてしまいます。
そのため、注入した脂肪の内の一定量は注入後に減少していくため、注入直後の状態が完璧に持続するとは言えないという点がデメリットであるといえます。
脂肪注入を行う場合、生着できずに減少してしまう分量も加味して最適な仕上がりを作るための分量を注入する必要があるため、理想的なデザインで仕上げるためには医師の豊富な経験と技術力が重要です。
コストがかかる
脂肪注入は施術にかかる時間も長く、ヒアルロン酸注入や糸リフトといった他のほうれい線治療と比べて高額になりやすい治療である点も、ひとつのデメリットとして挙げられます。
ただし、治療の永続性があるため、何度も繰り返しヒアルロン酸注入などを行う事を考えれば一度で効果が持続する分、長期的には低コストであると考える事もできます。
肌に凹凸などが出来る事がある
脂肪注入も脂肪吸引も、医師の技術力が非常に重要となる治療です。
注入した部位の皮下脂肪の量が均一でなかったり、吸引で過剰に脂肪を摂りすぎて皮膚と筋肉がくっついてしまったりすると、肌表面に凹凸が出来てしまうなどキレイな仕上がりといえない状態になってしまう可能性があります。
脂肪注入を受ける際は、症例件数が多い医師や形成外科専門医、美容外科専門医などの資格を保有する医師を選ぶなど、治療技術が高い医師の治療をうけるようにした方が良いでしょう。
ほうれい線の脂肪注入は高い技術力を持つ医師の安心な施術を
脂肪注入や脂肪吸引は医師の技術によって仕上がりに大きな差が生じる難易度の高い治療であり、理想の結果を手に入れるためには医師選びが非常に大切です。
体への負担も比較的大きい治療となりますので、安易に治療を決めず、複数のクリニックや医師と相談して最も信頼できると感じた医師のもとで治療を受けるなど、じっくりと考えるようにするなどしても良いでしょう。
城本クリニックでは、医師がしっかりと診察を行い、脂肪吸引だけではなく他の治療法も含めて最適な治療をご提案させていただいております。
まずは自分自身にあった治療法を知りたいという方や、実際に治療をうけたらどのような仕上がりとなるのかを知りたいといった方でも大丈夫ですので、お気軽にご相談ください。
本コラムの監修医師
1978/04:富山医科薬科大学医学部医学科入学
1984/03:富山医科薬科大学医学部医学科卒業
1984/06:大阪市立大学医学部付属病院研修医
1986/04:大阪市立大学大学院医学研究科外科系外科学専攻
1990/03:大阪市立大学大学院医学研究科外科系外科学修了
1990/04:田辺中央病院医長
1991/04:城本クリニック
医学博士 / 日本美容外科学会専門医
第105回日本美容外科学会 会長
城本クリニック総院長 森上和樹