コラム

COLUMNぽっこりお腹になる原因と改善策を医師が解説

40代や50代の女性に多く共通する悩みのひとつが「ぽっこりお腹」です。
若い頃は平気だったのに、年齢を重ねてから急に下腹がぽっこり出てきてしまったという人も多いことでしょう。
また、体重の変化はないのにもかかわらず、ぽっこりお腹になってしまいスタイルが崩れたという人や、下腹部だけがぽっこりしていて恥ずかしいと感じている人も多いのではないでしょうか。
この記事では、とくに40代や50代の女性に多く見られるぽっこりお腹の原因や関係性、さらには、ぽっこりお腹の改善策など、瘦身治療の専門医がわかりやすく解説します。

ぽっこりお腹とは

ぽっこりお腹の原因を知る前に、ぽっこりお腹の具体的な特徴を理解しましょう。ぽっこりお腹の特徴は以下の通りです。

  • 40代や50代の女性で多く見られる
  • おへそ周辺の下腹部が膨らむようにして突き出す
  • 改善するのが大変
  • 瘦せていてもなる可能性がある
  • 様々な原因によって生じる

このように、ぽっこりお腹は性差なく、中高年を中心にして広く見られる症状で、改善することが難しく、さらにその原因は様々といったことが特徴です。

  • お問い合わせはこちらから >>

LINE@友だち追加

ぽっこりお腹になる原因

ぽっこりお腹の原因として、主に以下のようなことが挙げられます。

内臓脂肪の蓄積

ぽっこりお腹の原因として最も考えられるものが「内臓脂肪の蓄積」です。
ヒトの脂肪は、内臓脂肪と皮下脂肪のふたつがありますが、内臓脂肪は皮下脂肪よりも蓄積しやすいという特徴があります。
皮下脂肪は、二の腕や太もも、顔といった目に見える部位に蓄積するのに対し、内臓脂肪は内臓周辺に蓄積するため、その存在に気が付きにくいという特徴もあります。

内臓脂肪が増える主な原因としては、脂質や糖質の過剰摂取、アルコールや喫煙、ストレスといった日々の生活習慣に関係するものをはじめ、女性の場合はホルモンバランスの乱れによっても増加するとされています。
とりわけ、40代や50代の女性は、更年期障害を発症しやすい年代であり、エストロゲンと呼ばれる女性ホルモンが減少することで、内臓脂肪が蓄積しやすくなると言われています。

筋肉量が少ない

「筋肉量が少ない」こともぽっこりお腹になる原因です。
脂肪は筋肉よりも大きく、重たい特性があり、柔らかいため、重力に逆らわずに下垂(下方向に垂れる)してしまい、その結果ぽっこりお腹になってしまいます。
また、筋肉量が少ないと、代謝機能が十分に機能しなくなるため、脂肪を燃焼させられない、つまり脂肪が蓄積してしまう訳です。

体重は軽いのにお腹がぽっこりしてしまう人や、痩せているのにぽっこりお腹という人は、筋肉量が少ないことが原因で、お腹が出てしまっている可能性があります。

姿勢が悪い

ぽっこりお腹の原因には「姿勢が悪い」ことも含まれます。
とくに、骨盤に付いているインナーマッスルの腹横筋(ふくおうきん)、内臓を支える役割がある骨盤底筋群(こつばんていきんぐん)といった筋肉が衰えやすい姿勢の人ほど影響が大きくなります。
具体的には、パソコンやスマホを使用する際の前傾姿勢、猫背、足を組む、あぐら、そして左右の重心が偏る姿勢などが含まれます。

特に猫背はぽっこりお腹の大きな原因で、体が丸まった状態になる事で内臓が治まるスペースが圧迫されて狭くなり、押し出された内臓が前方に飛び出るような状態となる事でお腹の膨らみの原因となります。
この状態は内臓周囲の血流まで圧迫して悪化させるため、更に代謝が低下して太りやすくなる他、健康面でも悪い影響を及ぼしやすくなります。

それ以外にも、姿勢が悪く、骨盤が歪んでしまうと、腹部周辺の血流やリンパ液の流れが阻害され、本来であれば排出されるべき余剰な脂肪や水分がお腹に蓄積し、ぽっこりお腹になってしまいます。

また、妊娠や出産を機に骨盤が歪むことでも同じことが起こりやすいとされており、いかに骨盤を正しく保つ姿勢をとるかが大切です。

便秘

「便秘」もぽっこりお腹になる原因のひとつです。
便秘になる要因には、水分不足や不摂生な食事、さらには運動不足などがあり、これらによって腸の内容物を移動そして排泄するための「蠕動運動(ぜんどううんどう)」が不活発になることで、お腹にガスも溜まります。

この結果、腸に老廃物やガスがたくさん溜まり、ぽっこりお腹になってしまう訳です。また、腸をはじめとする内臓の機能が低下すると、むくみや冷え性を誘発し、脂肪も蓄積しやすくなるため、注意が必要です。

むくみ

ぽっこりお腹の原因として「むくみ」も挙げられます。むくみは、水分や塩分などが過剰になった際に起こりやすく、主に顔や二の腕、そして足などで実感することが多いでしょう。
むくみ体質の女性は、お腹でも同じような現象が起こりやすく、結果としてぽっこりお腹になってしまいます。
慢性的なむくみの症状がある人は、実はお腹でもむくみの症状が起きている可能性があります。

冷え性

「冷え性」もぽっこりお腹になる原因です。
冷え性の女性は基礎体温が低く、摂取カロリーをエネルギーに変換する基礎代謝が十分に機能しない可能性があり、この結果、脂肪が燃焼されずに蓄積し、ぽっこりお腹になってしまいます。
冷え性になる原因には、前述した「筋肉量が少ない」ことも関係している他、姿勢、運動不足、水分過多、締め付けがきつい服装など様々な要因があります。

骨盤の歪み

ぽっこりお腹になる原因には「骨盤の歪み」もあります。前述した「姿勢が悪い」と関係性が強い原因で、骨盤が横方向に開いたり、前後左右に歪んだりすることが該当します。
骨盤の歪みは、悪い姿勢が習慣化していること以外に、運動による衝撃、妊娠や出産などが遠因となって起こります。

なかでも「悪い姿勢」は最も関係していると言えるでしょう。
ぽっこりお腹に加えて、肩こり、腰痛、冷え性、便秘、O脚やX脚、さらには生理痛などの症状がある人は、骨盤の歪みを疑ってみるとよいかもしれません。

婦人系疾患

ぽっこりお腹の原因が「婦人系疾患」という可能性も否定できません。
具体的には、子宮筋腫や卵巣のう腫などの良性腫瘍が関係していることが多いとされています。
これらの兆候として、月経量が多い、月経時にドロドロした血の塊が出る、トイレが近い、そして便秘気味といった症状に該当する場合は、疑った方がよいでしょう。
太ったからお腹が出てきたと思っていたら、実は子宮筋腫や卵巣のう腫だったということは十分に考えられますので、急な変化でお腹がでてきたというようなケースでは一度病院での検査なども行いましょう。

  • お問い合わせはこちらから >>

LINE@友だち追加

ぽっこりお腹になることで生じる影響

メタボリックシンドロームの危険性が高いかどうかをお腹周りのサイズによって判断する事からも分かるように、ぽっこりお腹になると、単純に見た目の問題だけではなく健康上のトラブルにも繋がってしまいます。
ぽっこりお腹になることで生じる影響は、主に以下のようなことが挙げられます。

腰痛

ぽっこりお腹は「腰痛」を招く影響が考えられます。ぽっこりお腹になると、腹部の重みが骨盤にのしかかるため、骨盤が前方に傾きやすくなるためです。
この際、骨盤が前方に傾くことを防ごうと、無意識に上体を反り返すようになり、結果的に腰に負担がかかって腰痛を招きます。

40代、50代で腰痛になったという人は、実はぽっこりお腹が原因で腰痛を発症しているかもしれません。
さらに、腰痛になると、ぽっこりお腹を解消するための運動や姿勢維持などが難しくなるため、悪循環に陥りやすくなります。

生活習慣病

「生活習慣病」もぽっこりお腹による影響として考えられます。具体的には、メタボリックシンドロームの糖尿病や高血圧、脂質異常症などが該当します。
さらに、これらの生活習慣病が悪化することで、狭心症や心筋梗塞、そして脳卒中などを誘発する可能性もあり、ぽっこりお腹が思わぬ重病に影響するかもしれません。

そのため、ぽっこりお腹は単なる肥満や不摂生によるものと安易に考えず、大きな病気になる前触れというように考えましょう。

スタイル悪化

ぽっこりお腹は「スタイル悪化」の影響もあります。
スタイルが崩れた結果、以前は履けていたジーンズが履けないや、人前では水着を着られなくなった、お腹周りを隠す服しか着られないといった悩みを抱えるようになった女性は多いはずです。

ぽっこりお腹は、体の不調を招くだけでなく、精神的なダメージを生む原因でもあることを認識しましょう。

  • お問い合わせはこちらから >>

LINE@友だち追加

ぽっこりお腹になるのを防ぐためのポイント

ぽっこりお腹になる原因は様々ですが、以下3つのポイントを意識した生活改善に取り組むことで、ぽっこりお腹の解消や予防につながります。

食生活の見直し

ぽっこりお腹の改善や予防の根幹になるのが「食生活の見直し」です。とくに、食事内容と摂取方法の見直しがポイントになります。
ぽっこりお腹になる原因は、内臓脂肪が蓄積することや、便秘、そして冷え性などがありますが、これらは食事によって改善可能です。
1日3食、低脂質と低糖質を心がけ、代謝を補助するたんぱく質や、便秘解消に有効な食物繊維などの内容を中心にするとよいでしょう。

また、食事の際は、咀嚼に時間をかけるようにし、食物繊維から順に、肉や魚、そして炭水化物を食べることが理想的です。

適度な運動

「適度な運動」は、ぽっこりお腹の解消に有効です。
とりわけ、1時間程度のウォーキングやジョギングといった有酸素運動が効果的で、通勤や通学とは別に歩く時間を設けましょう。
適度な運動によって、ぽっこりお腹の原因である内臓脂肪の燃焼、筋肉量が少ない、姿勢の悪さなどが改善可能です。
内臓脂肪は蓄積しやすい反面、落ちやすい(燃焼しやすい)特性があるので、有酸素運動による内臓脂肪の燃焼は決して難しいことではありません。

  • お問い合わせはこちらから >>

LINE@友だち追加

正しい姿勢

ぽっこりお腹を解消または予防するのには「正しい姿勢」を心がけましょう。ぽっこりお腹は、骨盤の歪みが原因になるため、骨盤が歪まないような姿勢でいることが大切です。
立った状態では、横から見た時に「耳、肩、膝」が一直線になるようにし、猫背やストレートネックに気を付けましょう。
座った状態では、足を組むことや、お腹にシワが寄る「へそ折れ」を避け、椅子に深く腰掛けるようにして、横から見た時に耳、肩、骨盤が一直線になるようにしましょう。
女性の健康は骨盤が大きく影響すると言われていますので、日頃から正しい姿勢を心がけ、正しい姿勢を維持できるよう、筋肉を付けることにも取り組んでください。

  • お問い合わせはこちらから >>

LINE@友だち追加

ぽっこりお腹を改善する簡単エクササイズ

ぽっこりお腹の原因の多くは「有酸素運動」で解消可能なことがほとんどです。自宅で簡単にできる有酸素運動要素を含んだエクササイズを紹介します。

カエル足ダイエット
  1. 仰向けで両膝をお腹の上で90度に曲げる
  2. 両膝を左右にゆっくり広げる
  3. 両膝を元に戻す
  4. 10回、3セットにして繰り返す

カエル足ダイエットは、腹筋はもとより、お尻や太ももといった大きな筋肉を使用するため、脂肪燃焼効果が高いことが特徴です。
また、ぽっこりお腹解消の鍵を握る「骨盤」周辺の筋肉強化にもつながることから、骨盤の歪み解消や骨盤の安定化にもつながります。

ドローイン

  • 仰向けに寝て、両膝を立てる
  • 指を組んでお腹の上に置く
  • 息をゆっくり目一杯吐ききった状態で10秒間キープ
  • キープ中の呼吸は止めず、浅い呼吸にする
  • お腹を緩める
  • 10回、3セットにして繰り返す
  • ドローインは、腹横筋や内腹斜筋といったインナーマッスルを鍛えるのに最適です。
    とくに、腹横筋を鍛えることで体の内側から引き締め効果が期待できるため、ぽっこりお腹解消に効果を発揮します。
    また、体幹を鍛えられるため、正しい姿勢を維持しやすくなる効果や、腰痛解消、そして腸の蠕動運動も促されるようになります。

    • お問い合わせはこちらから >>

    LINE@友だち追加

    美容整形外科でぽっこりお腹を解消する方法

    ぽっこりお腹になる原因がわからない人や、セルフケアで効果を実感できないという人は、美容整形外科で瘦身治療を受ける選択肢もあります。

    脂肪吸引

    「脂肪吸引」は、お腹にカニューレと呼ばれる医療器具を挿入し、脂肪を物理的に吸引して、ぽっこりお腹を解消させる方法です。

    なかなか落ちない脂肪であっても、短時間で確実に落とすことが可能で、ぽっこりお腹を解消させる最適な方法と言えるでしょう。

    とくに、ぽっこりお腹がどうやっても解消できないという人や、ダイエットで落とすのには限界を感じる人、そして即効性を期待する人などにおすすめです。

    ただし、脂肪吸引は皮下脂肪を除去する事が出来ても内臓脂肪については対応する事ができません。
    前述の通り内臓脂肪は比較的燃焼しやすい脂肪ですので、食事や運動で対策を行い、なかなか落ちない皮下脂肪を治療によって除去する事で理想的なスタイルを実現しましょう。

    メソセラピー(脂肪溶解注射)

    「メソセラピー(脂肪溶解注射)」は、お腹の脂肪を分解および溶解させる薬剤を注入して、ぽっこりお腹を解消させる方法です。

    注射で完了する手軽さや、脂肪吸引よりも身体への負担が少なく済むのが特徴で、中長期的な取り組みで着実にぽっこりお腹を解消します。
    軽度のぽっこりお腹の人や、肥満がひどくなる前に対処したい人、さらにはセルフケアと両立してぽっこりお腹を解消させたいという人に向いています。

    脂肪吸引と同様に内臓脂肪の解消は行えないため、皮下脂肪を減らしてスタイルアップしたいという方に適しています。

    • お問い合わせはこちらから >>

    LINE@友だち追加

    内服薬(吸収阻害系・食欲抑制剤)

    ダイエットの補助として、脂肪などの吸収を阻害するタイプのものや食欲抑制剤タイプの内服薬を利用する方法です。

    「吸収阻害系」は、特に食事に含まれる脂肪分(油)を体内で吸収されない形に変化させる事で、エネルギーとして過剰になりがちな脂肪分の吸収を防ぎ、食事量を変えなくても摂取エネルギーを大幅にカットする事ができます。
    体にとっての負担が少ないため取り入れやすい方法ですが、長期的に継続すると脂溶性ビタミンや必須脂肪酸といった栄養が不足しやすくなってしまうため、医師の管理下で適切に利用する事が大切です。

    「食欲抑制剤」は、食欲を抑えると同時に新陳代謝を上げる作用がある医薬品のことです。いくつかの種類があるものの、厚生労働省が認可した物であれば、安全性や効果はお墨付きと言えます。
    ただし、食欲抑制を行う薬は体への負担も大きい物が多いため、医師の指導の元で慎重に取り組む必要があります。

    有酸素運動やエクササイズといったセルフケアを継続する一方で、補助的に痩身を促進する内服薬を活用することで、ぽっこりお腹の解消が可能になります。
    運動や食事の改善などに取り組む自信はあるけれど、効率的に痩せたいという人や、食べることが好きで消費カロリーよりも摂取カロリーが多くなりがちな人などにおすすめです。

    • お問い合わせはこちらから >>

    LINE@友だち追加

    ぽっこりお腹は生活習慣の見直しを第一に。スタイルアップには美容治療がおすすめ

    お腹だけが太っているような状態の「ぽっこりお腹」の原因は、内臓脂肪の蓄積や筋肉量が少ないこと、そして姿勢の悪さなどが主な要因といえます。
    また、これらによって、むくみや冷え性、さらには骨盤の歪みが生じることで、悪循環に陥る可能性があります。

    一方、内臓脂肪を減らしても皮下脂肪が沢山ついていると、やはり見た目として理想の状態にはなかなか近づけません。
    皮下脂肪は食事制限や運動によるダイエットでは狙った部位だけを細くする、いわゆる「部分痩せ」を行う事ができませんので、胸やおしりなどの脂肪はなるべく落とさず、お腹の脂肪だけを素早く減らしたいというような場合には美容治療が有効です。

    セルフケアによる対策と医療的な対策を組み合わせて、効果的にぽっこりお腹を解消していきましょう。

    LINE@友だち追加

    本コラムの監修医師

    1978/04:富山医科薬科大学医学部医学科入学
    1984/03:富山医科薬科大学医学部医学科卒業
    1984/06:大阪市立大学医学部付属病院研修医
    1986/04:大阪市立大学大学院医学研究科外科系外科学専攻
    1990/03:大阪市立大学大学院医学研究科外科系外科学修了
    1990/04:田辺中央病院医長
    1991/04:城本クリニック

    医学博士 / 日本美容外科学会専門医
    第105回日本美容外科学会 会長
    城本クリニック総院長 森上和樹

    ご予約・お問い合わせお気軽にご連絡下さい 0120-107-929 無料 24H OK メール相談 無料 カウンセリング予約
    全国の城本クリニック 35年以上の歴史と実績

    全国の城本クリニック

    クリニック案内へ

    診療時間 10:00~19:00 完全予約制

    35年以上の歴史と実績、そして信頼を誇る美容外科