コラム
COLUMN末広二重と平行二重の違いは? 綺麗な二重のラインにする方法はある?
美容整形の中でも特に件数が多いものが二重まぶたの整形ですが、二重まぶたには大きくわけて「末広二重」と「平行二重」、そして「奥二重」のパターンがあります。
平行二重にしたかったけれど、埋没法では末広二重しか難しいといわれる事もあるなど、二重まぶたのラインは元々の体質などによってある程度決まってきてしまう事も。
今回は、末広二重と平行二重、そして奥二重について、それぞれの特徴や原因、美容整形で目指す場合の注意点などについて詳しく解説していきます。
目次
二重まぶたの形の分類
二重まぶたの形は、大きくわけて「末広二重」「平行二重」「奥二重」に分ける事ができます。
それぞれ形が違うだけではなく、目元の筋肉の状態や皮膚の状態などにも違いがあります。
末広二重の特徴
末広二重は、目頭側には二重まぶたの折り目が無く、目尻に行くに従って二重の折り目が出てくるタイプの目元を指します。
目尻に向かって広がっていくため、末広型とよばれます。
末広二重には、目頭側に向かうに従って二重ラインが薄くなっていくようなタイプと、まぶたに巻き込まれるようにして完全にラインが見えなくなるタイプがあります。
末広二重の印象
末広二重は日本人に多い目元で、目頭側が一重の状態となるため、大きく目が開いた「目力の強い」印象ではなく、どちらかというとスッキリとした印象の目元になります。
目の形が丸みをおびたような状態となるため、若さや可愛らしさといった印象になりやすいといえます。
一方で、パッチリとした二重まぶたという状態ではないため「目が小さく見える」「少し眠そうに見える」といった部分を気にされる方もいらっしゃいます。
末広二重のデメリット
末広二重だから悪いとか、目の形を変えた方がいいという事は全くありませんが、末広二重ならではのトラブルとしてアイメイクの難しさがあります。
例えば、アイラインを引く時には目頭側が二重の幅が狭く、目尻側が広いため、均一な塗り方をしようとすると目頭側の二重のラインが塗りつぶされて目が小さく見えてしまったり、目頭に近い方のアイラインは皮膚に巻き込まれて崩れやすくなったりといった点があげられます。
また、まつげについても、目を大きく見せようとして全体で強めにカールさせたりボリュームを出したりしようとすると、二重のラインが隠れて逆効果になってしまう場合などもあります。
アイメイクの際は二重のラインが狭い目頭側と、幅が広い目尻側でメイクを分けて考えるようにして、上手にバランスを取ったメイクにすると良いでしょう。
末広二重になる原因
まぶたが一重になるか二重になるかは、まぶたを持ち上げる上眼瞼挙筋という筋肉から伸びる挙筋腱膜が、まぶたに折り目をつけるように分岐して伸びているかで決まります。
しかし、この挙筋腱膜の分岐があって「二重まぶたの構造」を持っていても、皮膚や脂肪によってまぶたに厚みがあると、二重の折りこみが出来ないため一重の状態になります。
つまり、末広二重は二重の構造(挙筋腱膜の分岐)は持っているのに、目頭側の皮膚が厚かったり固かったりして、折り目が出来ない状態になっている事で生じるのです。
目頭側の皮膚で二重のラインが消失する一番の原因は「蒙古ヒダ」とよばれるアジア人特有のヒダで、目頭にある「涙丘」とよばれる箇所を覆うようにして存在しています。
欧米人などの目元をみると、目頭深い切れ込みが入り、ピンク色に露出した部分が見えると思いますが、この部分が涙丘と呼ばれる場所で、日本人の8割はこの涙丘を覆う蒙古ヒダを多少なり持っていると言われています。
蒙古ヒダが合っても、それによる突っ張りが強くなければ目頭まで二重の幅が続きますが、ある程度蒙古ヒダによる突っ張りが強いと目頭での二重ラインが消失してしまうため、末広二重となります。
平行二重の特徴
平行二重は、目頭から目尻まで一定の幅で二重のラインが続くタイプの目元をさします。
まぶた全体がぱっちりと大きく開く形となるため、目力が強く魅力的に見えやすいのが特徴で、二重というとこの平行二重の姿をイメージする方が多いと思います。
平行二重の印象
平行二重は二重まぶたといってイメージする姿そのもので、目が大きく開いて綺麗な目元という印象をもたれます。
また、目頭の方まで大きく開いて動きが出やすいため、表情の変化が分かりやすくコミュニケーションをとりやすいと感じやすい特徴もあります。
二重整形の際にも平行二重に憧れる方も多く、末広型の二重から平行二重にしたいというようなご相談も数多くいただきます。
平行二重のデメリット
平行二重の場合におけるデメリットは特にありませんが、強いて上げるとすればまぶたが薄い方が多く、むくみなどによる変化や加齢によるタルミなどの影響を受けやすい点です。
目元を擦るなど刺激を与えるような行動のクセがある場合、特にトラブルに繋がる可能性が高くなりますので、なるべく刺激を与えないように注意しましょう。
奥二重の特徴
奥二重は、二重まぶたではあるものの二重のラインがまぶたの皮膚に隠れてしまい、正面から見た時に一重のように見えるまぶたを指します。
二重のラインが完全に隠れて見えない場合だけではなく、末広型のように目尻側に少しだけ見えているような場合を奥二重と呼ぶ事もあります。
奥二重の印象
奥二重は、正面から見ると二重のラインがほぼ見えないため、印象としてはほとんど一重まぶたと同じ状態です。
アジア型の目元として、スッキリとして知的な印象となりますが、日本においてはパッチリと開いた二重まぶたの方が好まれやすく、目元が重いなどネガティブなイメージをもたれやすいというのが実情といえます。
奥二重のデメリット
奥二重の方は、まぶたの皮膚が二重のラインの上に被さっている状態となります。
そのため、皮膚によってまつげが下方に倒された状態となり、逆さまつ毛などのトラブルになりやすいデメリットがあります。
また、目元に皮膚が被さるため目が小さく眠たさそうに見えてしまったり、表情の変化が分かりにくく少し「冷たい」「怖い」といった印象をもたれやすいといえます。
奥二重の原因
奥二重は、挙筋腱膜の分岐による二重の構造をもちながらも、まぶたの厚みなどによって二重の折り目が出来にくく、まぶたの皮膚の裏に隠れた状態で二重のラインが出来てしまう事によって作られます。
まぶたの厚みが原因であるため、加齢やダイエットによって脂肪が減少したり、むくみが無くなる時間帯になったりすると二重のラインがくっきりと見えるようになってくる場合があります。
末広二重や奥二重を平行二重にする方法
二重にしたいというご要望の中には、末広二重や奥二重を綺麗な平行二重にしたいという内容も多くあります。
末広二重や奥二重を綺麗な平行二重にする場合、主に目頭切開や脱脂といった施術が行われます。
目頭切開
目頭切開は、蒙古ヒダを切開して皮膚の組み替えや切除をしてから縫い合わせる事で、目頭の開きを改善する整形術です。
目頭の皮膚を切るため、目と目の距離を近づけるためのものと思われがちですが、蒙古ヒダによる目頭側の緊張を解消する事で、目の開きを改善して目の形を整えるための方法ですので、必ずしも目の距離を近づけるものではありません。
末広二重は蒙古ヒダによって二重のラインが目頭側で消失している状態ですので、目頭切開によって蒙古ヒダの引き込みを解消する事で綺麗な平行二重を目指す事が可能となります。
逆にいえば、蒙古ヒダが残ったままの状態で埋没法などにより無理やり平行二重を作ろうとすると、どうしても不自然であったり無理のある二重のラインになりやすかったりしますので、綺麗な平行二重を目指す場合には目頭切開を組み合わせて行う事を検討すると良いでしょう。
脱脂
まぶたを切開し、まぶたの厚みの原因となっている脂肪を除去(脱脂)する事で、奥二重のラインがしっかりと見えるようにする事ができます。
脱脂の際にはまぶたの皮膚を切開する必要がありますが、二重のラインなどに合わせる事で傷跡はほぼ目立たない形で施術が可能です。また、傷跡を最小限にするために切開するラインを非常に小さいものにする「マイクロ脱脂」などもあります。
奥二重の方などの場合は脱脂だけでも二重のラインが出てくる事がありますが、脱脂をした上で埋没法による二重形成術を行ったり、そのまま切開法の術式で二重のラインを作る事で、理想通りの二重ラインを作る事が可能です。
末広二重や奥二重を平行二重にするなら美容整形術をご利用ください
末広二重や奥二重を平行二重にして理想の目元を目指したいというご要望は、当院でも非常に多くご相談いただく内容です。
メイクなどではどうしても不自然なラインになってしまったり、まぶたへの刺激が繰り返されて皮膚が固くなり、余計に二重のラインがぼやけてしまうなどのリスクもありますので、理想の平行二重を作りたいという方は、是非美容整形術の利用もご検討ください。
本コラムの監修医師
1978/04:富山医科薬科大学医学部医学科入学
1984/03:富山医科薬科大学医学部医学科卒業
1984/06:大阪市立大学医学部付属病院研修医
1986/04:大阪市立大学大学院医学研究科外科系外科学専攻
1990/03:大阪市立大学大学院医学研究科外科系外科学修了
1990/04:田辺中央病院医長
1991/04:城本クリニック
医学博士 / 日本美容外科学会専門医
第105回日本美容外科学会 会長
城本クリニック総院長 森上和樹